見出し画像

自分のおごりが部下をつぶす

仕事で成果を出し、経験を積むと、いつの間にか「自分の考えは正しい」「自分のやり方が最善だ」と思い込んでしまうことがある。しかし、そのおごりが部下の成長を妨げ、最悪の場合、彼らを潰してしまうことにつながる。

例えば、部下が何か新しいアイデアを提案したとき、「そんなのは無理だ」「経験のないお前にはわからない」と一蹴したことはないだろうか。自分の過去の成功体験を基準にして、異なる意見を受け入れず、部下の挑戦を止めてしまうことがある。しかし、それは「育成」ではなく「支配」になってしまう。部下は自分で考える力を失い、やがて指示待ちの人材になってしまうか、組織を去ることになる。

また、「自分がやったほうが早い」「自分が手を加えればもっと良くなる」と考え、部下の仕事に過度に介入してしまうケースもある。確かに効率は上がるかもしれないが、部下の成長の機会を奪い、彼らの自信を失わせてしまう。結果的に、部下は「どうせ上司が手を入れるから」と考え、自ら考えたり工夫したりすることをやめてしまう。

リーダーに求められるのは、部下の可能性を信じ、彼らが自分で考え、試行錯誤する余地を与えることだ。もちろん、適切なアドバイスやサポートは必要だが、それは「正解を教えること」ではなく、「考えるための視点を与えること」である。部下の意見に耳を傾け、「なぜそう考えたのか?」と問いかけることで、彼ら自身が答えを導き出せるように促すことが重要だ。

また、自分の考えが常に正しいとは限らないことを自覚することも大切だ。時代や環境が変われば、過去の成功体験が通用しないこともある。部下の意見に学ぶ姿勢を持つことで、自分自身の成長にもつながる。

おごりは無意識のうちに生まれる。しかし、それが部下をつぶしてしまう前に、立ち止まって自分の言動を振り返ることが、真のリーダーに求められる姿勢なのだ。

いいなと思ったら応援しよう!