🔴いつも大安吉日63　〜進んだことがみえる〜

【進んだことがみえる作業っていいな】

「顔はやめておきなよ」
いつもちゃんとそう言ってる

「やるならボディーにしなさいよ」
ちゃんとそうに言ってるのにな

もちろんそうはいかないんだ
それももちろんわかってる
最後には目が痛くなって泣いちゃうんだから

ぼくが発見したときにはすでにどろどろな手をなんとか洗って、まだまだきたないその手でなんとか顔を洗ったところだった

服はびしょびしょで、下はすっぽんポン
池の上で震えて泣いてた
ぼくはそれを見て笑う
いつも通り泣いてるだけだからな
毎日霜注意報も出てるし大日向はまだ寒い
薪ストーブももちろん毎日稼働中
風もつめたくなった夕方のことだった

田んぼに入ってどろんこになって遊ぶことだっていつまでもつづくわけじゃない
ぼくも作業以外では田んぼに入らないからな

やつらにはいいあそび場なんだよな
はじめてうちのとなりに田んぼがある
いままでは車で行く距離だった
やっぱりいいな
いまここに田んぼがあってよかったな

やつらがあそびまわった田んぼ
朝になってみるとちいさい足あとがある
夜中はちがうだれかのあそび場になってるのかなあ

🔴ユンボでがっつん

その田んぼの一段上には畑がある
もともと田んぼだったそこを今年は借りた
ススキが生えて、まさに荒れた畑って感じだ

耕作放棄地にはススキしか生えてない
根っこがものすごい強いから他の植物が根を張ることができないのかな

ちょいと前に上の部分だけは刈ってあった
するとあらわになる巨大なススキの株
大きいのは直径50センチ以上ありそうだ
おかけで地面はそこら中が凹凸だらけ

ここの畑もこんなになっちゃってるけど、どこもかしこもこの状態だ
ぼくもゴリゴリにこだわっていたころなら、これらを手でひとつひとつ時間をかけて引っこ抜いてたんだろな
でももうそうはしないよ
近くのおじさんちいさいユンボ持ってるもん

ゆくゆくはこの地続きの場所も田んぼにしたい
だからしっかり根っこから取り去りたい

トラクターに引き続き、またしても渋い顔立ちのユンボを借りての戦いがはじまった

排土板で刈ったススキを端っこに寄せる
さらに株もとがよく見えるようになった
「こりゃ想像以上だぞ」
ユンボがうなりながら牙をむく
株もとに牙が突き刺さる

「ダメだっ」
逆にユンボのボディーがあがってしまう
一気にいかずに細かく崩していく作戦をとる
これはかなり有効だった
根っこごとはがしては振って土を落とし、その株はまた端っこに寄せる
これをひたすらくり返す

なんにも管理していなくてもこんなにも育つことができるススキ
ススキを活かしてなにかを生みだしていったほうがいいのかもしれないとまで思った

ススキの活用方法大募集します

こつこつやれば確実にすすむ
ちいさい畑が二枚それなりにきれいになった

ここで寄せておいた枯れススキを燃やす
残りのちいさいススキの株をやっつけることと、ススキ以外に何も生えていないおそらく酸性よりな土壌を少しでも中和させるため
燃やしたほうが分解も早そうだ

もちろん酸性好きな植物もあるみたいだけど、偏りすぎてるのは作物が育ちづらそうだ
焼畑もそんな意味があるのかな

燃やし方も焼畑にならう
まだ乾燥したこの時期は山火事注意
風のない日を選んで、雨が降りそうな日を選ぶのもまちがいない
火は上に上にのぼっていくから、つけるのは上からがいい
下から着けたら一気に広がるよ
風で延焼しないように風下から着火
ビビりながらちょっとずつちょっとずつ

いい感じに仕上がってきた
とりあえず近くじゃがいもからやろう
ここ大日向はいまからじゃがいもがいける

動物よけの柵も同時に進めていかなきゃな
柵作り用の板も大量にゲットしてきた

農の季節だ
たのしんで土とたわむれよう

🔴親方の教え

今日から五月
先月いっぱいで伐採仕事は区切りをつけた･･･
はずだった
区切りを伝えた親方から連絡があった
いつもの調子で何事もなかったかのように
「1日と2日おねがいします」と

待ち合わせを待たずに忘れて現場に行っちゃうような親方だった･･･しかも違う現場に
忘れ物もよくする親方だった
小学生のときにランドセルを背負わずに学校に行った話しを何度も聞いた
話したことも忘れてたんだろう

だからチームが必要なんだ
足りないところはだれかが埋めてくれる
ふたりのチカラはひとりの倍よりもっとある
チームならできることがグッとひろがる

親方からの最後の教えなんだと思ったよ

「では1日2日で最後にしますね」
ぼくはそのときにそう伝えた
忘れてなければこれで区切りになるんだな

たのしい仲間とたのしんでこよう
ではみなさんもすてきないちにちを

五穀豊穣　子孫繁栄　
大安吉日や　さかいひろし
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