🔴いつも大安吉日176　〜みんな薪を割りみんな火を焚く〜

【みんな薪を割りみんな火を焚く】

足が伸ばせねぇぞ
背中にゴロゴロ何か当たってる
とにかく「キュークツだ」
外は明るくなったようだけど、眠れたのか眠れなかったのかもわからない
あたまはボーっとしている

ぼくは軽トラの中で眠っていたようだ
背中に刺さっていたのはサイドブレーキで、荷台には袋に入ったままのテントがあった

いつも通りの二日酔いだ
いつも通りにおぼろげな記憶
「これはたのしかったってことなんだ」

🔴ふたたび学校へ

ぼくは、昼間うちの台所作業をがんばった
またしても細かい作業をこなしていた　
猫のロクを振り払って、ぼくちゃんの突進を振り払って、なんとか作業を進めた

そして待ちに待った夕方になった
前日の流れとまったく同じ

またしてもぼくは学校に向かった
昨日はふたたび大日向小学校を舞台にして、学童「ひなたぼっこ」のキャンプがあった

人数は前日のサバイバルキャンプよりも多くて、学校に着くと校庭にはすでにテントがいくつか張られていた
デイキャンプじゃなくて今度は泊まりだ

ぼくの役割はまたしても「かまど作り」
さらに泊まりってこともあったので、ドラム缶風呂も沸かすことになっていた
うちのキャンプで作ったドラム缶風呂は、いまや水道の元栓を止めた我が家の風呂だ
水は沢からダイレクトなんだ
「イベントでなく、いつもの風呂」
このドラム缶風呂がなかなか人気で、今回でキャンプイベントで二度目の出張だ

ぼくはかまどと風呂を、すにちゃんは大量の米を炊くのが今回の役割だった

🔴村のはじまり

こどもたちはそこら中で遊んでいる
テントをせっせと張ってる人や、キャンプの支度をしている人もいる
すでに張られたテントエリアでは、こどもたちがいい感じに焚き火をしてもいる

みんなそれぞれやっている

あまり遅くなると暗くなってしまうので、ぼくらは手の空いた人に助っ人を頼みながら風呂とめしの用意を急いだ
前の日に使ったかまどと、改善ポイントを意識した新たなかまどの穴を掘る
焚き口確保のため、穴は深めにセットした
カレーも焚き火でガンガンいく作戦
米は三升と大量なので失敗は許されない

すにちゃんがいつも通りに火を起こす
そこにおかあさんたちも助太刀する
普段は薪を扱うこともあまりないだろうおかあさんたちが、カレーを煮込むのに果敢に薪料理に挑んでいる

ぼくは校門の横で風呂計画を進める
まずはこっちもガッツリと穴を掘る
そこにおとうさんたちが助太刀する

暑い中汗をかきながら、穴が掘れたらドラム缶をセッティングする
そしてこちらも薪を使って火を焚く
普段はボタンひとつで沸く風呂を、細かく薪を割いたり、その薪をうまく組んで火を着ける作業に挑むおとうさんたち

ぼくは風呂とかまどを行ったり来たりしながら、「いいなあ」と思っていた
みんなが汗をかいて火を使っている
そこらじゅうから煙があがっている
おっきな羽釜で炊かれる米とカレー
ドラム缶ふたつに沸かされる風呂

ひと家族ごとに作るわけじゃなく、みんながみんなのために火を囲んでいる
それぞれに家や部屋を持つずっと前
家族の枠が血のつながりとは関係なくおっきかったずっと前
「こんな風にして共同生活してたのかなあ」
ほくはそう思ってなんかうれしかった

そこには「村」がはじまっていた

🔴自然回帰

暮らしを毎日発信することや、うちでイベントをすることの理由のひとつには、「こんな暮らしでも生きていけるよー」っていうのを知ってもらえたらって思いもある

「たのしい」を根っこにしても生きていける
「あるもの」をうまく使って生きていける
なるべく他に負荷をかけずに、ぼくらはもちろん、すべてのいのちが幸せに生きていけるような暮らしを意識していきたい

「そこにはやっぱり火はつきものだ」

どこか遠くの見えづらいところからやってくる、ガスや電気に頼り過ぎなくても大丈夫
山に入れば自然の恵みがたくさんある
恵みをいただけば山がずっと近くなる
山が近くなれば自然と海も近くなる
海から水に、水からまた山に、すべてのいのちが「グッ」と身近になってくる
身近になって寄り添っていると、身体もこころももう「そっち側」になってくる
自分と自然を分けて考えることなんて出来なくなって、すべてが自分になってくる

ぼくがそうに生きられてるわけじゃないよ
みんながいつものうちの暮らしのように火を使っているのを見て、「そんな風になってもいいなあ」って思ったんだ
そしてぼくも改めて「やっぱりこれだ」って思ったんだよね

うまいカレーを食って、飲みながら大人だけで入ったドラム缶風呂はよかったなあ
あたまはまだボーッとするけど、たのしいいちにちがまた過ごせてよかったなあ　

みなさんありがとう

では今日もすてきないちにちを

五穀豊穣　子孫繁栄　
大安吉日や　さかいひろし
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