美しさと儚さと 憧れと羨ましさと寂しさと いろんな感情が巡った 舞台「やがて君になる」encore
こんにちは、たぐもんです。
今日はこちらへ。
『舞台「やがて君になる」encore』
3年前に初演が行われ、今回は原作の完結を経て、物語の最後までが描かれる舞台でした。
自分はアニメ放映当時見ていて、ラジオも欠かさず聴いていました。
初演当時も気になりはしていましたが、舞台ってハードル高くて行かなかったんですよね。
それが伊波あんちゃんのおかげで敷居が下がり、なんとなくつぶやいたツイートに対してお誘いを受けたのもあって、千穐楽である今日の公演を見に行きました。
ではいつも通り感想書きなぐりタイム。
アニメと同じ主題歌
OPではアニメと同じ主題歌である「君にふれて」が使われていました。
イントロが流れ始めた瞬間からアニメで描かれた風景がぶわっとフラッシュバックして鳥肌が立ちました。
アコギのアルペジオからシンセ、さらに力強くエモい歪んだエレキギターの音色が、壮大で儚い切ない雰囲気を演出していて、始まりにも終わりにもふさわしい楽曲になってるなと思いました。
振り返るとやが君のアニメって曲に力入ってたなと。
EDの「hectopascal」も、「やがて君になる」の言葉がキャッチーに使われていてよかったなという記憶がありました。
こちらもぜひ。
休憩時間も舞台に取り込む脚本
舞台は間に休憩をはさむことが多いですが、今回の舞台では、物語上で行われる生徒会劇の開演時間に合わせて休憩が開けるように組まれていました。
ちょうどこれから本番!というところで前半が終わるのですが、そこであった案内放送で言われた劇の開幕時間は、リアル時間とどんぴしゃの15時。
これで我々は生徒会劇を見に来た観客という構図が出来上がり、後半もより物語に没入することができます。
たぶん昼夜公演だと、どんぴしゃギミックは発動しないので、千穐楽が昼のみというのもこれにかけてたのかなとも思えました。
こういう休憩時間の使い方もあるんだなぁと感心しました。
映像表現で行われる心理描写
舞台セットは白でまとめられていました。
そこにプロジェクターで様々な映像が投影され、様々な描写が行われました。
映像自体は、よくある満点の星空や、木漏れ日がまぶしい街路樹、夕焼け、さらに黒い感情が湧き出るときはドラマでも使われるような奇妙な液体が混ざる映像など、特殊なものがあったわけではありませんが、よく見慣れている映像だからこそ、心理描写がすっと見ている側に入ってくるようになっていたと思います。
やが君は侑、燈子、沙弥香の巡りに巡る気持ちが織りなす物語なので、心理がストレートに伝わってくるのは大事だったんだと思います。
ちょっと歪んでいて、それでもきれいで儚い3人の関係
本作はいわゆる百合と言われる、女子同士の恋愛を描いた作品です。
好きが、恋が分からない小糸侑
過去に縛られ自分を捨てて姉になろうとする七海燈子
燈子に一目惚れして、それでも今の今まで踏み出せなかった佐伯沙弥香
この3人が織りなす物語が本作の中心にあります。
燈子は2人に、侑と沙弥香は燈子に、それぞれが思いを募らせる中で、最後は侑を選ぶ燈子。
恋が実ったほうは幸せに溢れ、破れたほうはもろく苦い儚さにさいなまれ、それでも双方が美しくきれいな青春が描かれていたなと感じました。
それと同時に、当時アニメを見ていた自分は何も感じ取れていなかったことも痛感しました。
思い返すと当時は、感情を思いっきり揺さぶられない限りは、おもしろいと思いつつも何も感じない、残るものが無いといった虚無状態でいろんなアニメを見ていたなと記憶しています。
それがヴァイオレット・エヴァーガーデンで決壊しかけて、様々な舞台観劇で生の熱量に突き動かされて、さらに社会人になって年を食ったこともあり、感受性が豊かになったんだなと実感しました。
最近は誰かが一歩踏み出す瞬間を目にしただけで涙がこぼれるくらいになってしまいました。
たぶんこの状態でアニメや原作を見返すことで、今度はちゃんと「やがて君になる」という作品を見ることができそうです。
見返します。原作読みます。佐伯沙弥香についても読みます。
というかアニメってめっちゃ中途半端な良いところで終わってたんですね。
ぼんやりと良い物語だったってことしか残ってなかったくらい何も受け取れてなかった。
ここまで期間が空くとアニメとして最後までっていうのはちょっと難しそうですが、アニメ側も完結まで描いてほしいですね。
こんな感じですかね。
語彙力が欲しいし、まだまだ受け取れていないものもあるだろうし、書けないのがもどかしいですね。
しかしこういう物語を見ると、憧れと同時にこんなふうになりたいという羨ましさと、自分にはこういうのはないんだなという寂しさにさいなまれます。
恋愛したいという強い気持ちがあるわけではないし、行動を起こしているわけではないので、そんなことが起きないのが当たり前なんですが、それでも虚しさみたいなのは感じてしまいますね。
自分にはいつかこういうことは起きるんだろうか……
終演後は誘ってくれた人とご飯を食べながらいろいろお話しました。
3年ぶりだったし、同じコミュニティには属していたもののサシで話すのは初めてでしたが、今日の感想だったり、近況だったり悩みだったり、思い返すと半分くらい自分の悩みを聞いてもらってた気がしますが…楽しかったしちょっと整理できたなと思います。
相手は人生の先輩だしこういう甘えはいいよね。
おごってもらっちゃったので、当時仲良かった人たちと話す機会を設けるとか、そういう楽しい何かを提供することで恩返ししたいと思います。
ありがとうございました!
それではまた明日。
お読みいただきありがとうございました。
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