ライターなのに文章書けないから、しゃべってみた
「ブゥ~~~ン」
薄暗いリビングに、
扇風機の風音がひびく。
ノートパソコンを開き、30分が過ぎようか。
16インチの白画面を前に
途方に暮れている。
ここリビングは、僕の仕事場である。
僕は、文章で飯を食っている。文章で飯を食っているはずなんだが…
文章が書けず。途方に暮れている。
ライターなのに文章書けないの?
と、思われたであろう。
いや、ね。「仕事」なら書ける。
…うん。仕事なら書けるのに、「ブログ」となると、書けなくなる。なぜか。
言い訳かもしれないけど。ブログってほら、自分を出していくもんじゃない。
文章で自己表現するの、すごく苦手。
*
仕事で書く文章って、「ネタ」が決まってるよね。
誰かの話まとめるとか、書類つくるとか、メールするとか。何書けばいいか、決まってる。
だから、迷わず書けるのよ。
でも、ブログって、「ネタ」が決まってないじゃない。
誰に書いてもいいし、何書いても、どんな風に書いてもいい。何書けばいいか、決まってない。
だから、何をどう書いていいか、分かんなくなる。
夏休みの読書感想文じゃないけどさ。何をどう書いていいか分かんなくなるから。
もはや、「ブログ書くことしんどい」、とさえ感じてる。
なら、無理して書かなきゃいいじゃん
って話なんだけど。
なんか、書きたいんだよね。とにかく書きたいの。吐き出さないと、言葉にしないと、なんかモヤッとする。
書きたい気持ちにかられる、っていうか。
あと。
なんか「書かなきゃ!」とも思っちゃうのね。どうにかしなきゃ!!って。
こう…なんていうか…。言葉をひねり出せないと、なんかイラッとする。
「あ”ぁぁぁぁ」って。
……なりません?
なんで書けないの?
きっと、原因があるはず。と思ったから、どこでつまづくのか、分析してみたのね。
「パソコンの前に座る。キーボードに両手を添える。『さぁ書くぞ!』・・・・・・・・・」
( あ。ここだ。)
秒で、書く手止まってた。
で、こんなこと考えてた。
「なきゃ」
考え方のくせ。
これだ。自分で自分に制限かけてた。
じゃ、そのリミッター、外そう
ってなった。
でも、やっぱり書けなかった。
書こうとすると、ちゃんと・きれいに・読みやすく・おもしろくし「なきゃ」と思ってしまい…。どうしても手が止まってしまうの。
もう書くのやめた。
書けないんだもん。書くのあきらめた。
「いっそ全部しゃべっちゃえ」
全部。思ってること、考えてること。
吐き出せるなら、伝えられるなら、何でもいいじゃん。別に、「書く」にこだわる必要ないじゃん。
そう考えた僕は、スマホを手に取った。
録音アプリ起動。床にすわり。早速、スマホに向かってしゃべってみた。
Youtuberか?
って感じのノリだった。語り系の。
「へやのすみ アラフォーひとり かたってる」
みたいな感じで。
恥ずかしかった
でもね。30分で出しきれた。8,000文字。作文用紙20枚。
書くより「早く」、「自然に」吐き出せた。
ただ、問題がひとつあった。
人さまに見せられない。
いらない言葉、長ったらしい表現モロモロ。
こういうふうに↓↓↓
食材そろえたけど料理としてお客さまに出せない、といった感じ。
人さまに見せるには、
「編集する」必要があった。
とにかく読みにくかった。
読みやすくしよう。読んでくれる人に伝えたい。わかりやすくしよう。そう決心。
ここから2週間、編集の日々がはじまった
ムダな言葉はひたすらカット。むずかしい表現はできるだけカンタンに。話しの順番かえながら、読む人のこと考え自分語りをお役立ち情報に変換。
イラストで見映えアップ。エクセル・パワポ・画像生成AIも活用。何度も見直し、音読し、スクロールしてブラッシュアップ。
パソコンで編集。スマホでも編集。
気が狂うかと思った。腱鞘炎になった。仕事そっちのけ。けど、誰に何をどう書けばいいのか、しっかり考えられた。
で、できあがったのが、これ。
これ、「病んで会社やめて就職できなくてフリーランスになりました」って話なんだけど。
過去6年分の話。を、ギュッと凝縮。
4,105文字。ちょっとした自叙伝を完成させることができた。
で、開催中のコンテストに応募。(#自分で選んでよかったこと)
いい評価もらえるか、わかんない。
けど、言葉にできなかったこと。忘れてたこと。新たに気づけたこと。自分の思考を形にできたからすごく満足してる。
しゃべって編集、すごくラクだった
話まとまってなくても大丈夫。日本語おかしくても大丈夫。
なんでも、どんな形でも。スマホが全部ひろってくれる。
途中で止まることなく。なんとか、とりあえず、まずは。一回全部だしきれた。
こんな感じで全部だしきれた。
あとは「読みやすく」「わかりやすく」ってことで。読む人のことを考え。どう伝えるか、に力を入れられた。
登場人物のひとりである怒鳴る患者さんの様子を画像生成AIで再現してみたり。
好きな話をおりまぜてみたり。
読んでくれる人を想像して。
できるだけ興味を持ってもらえるよう、楽しんでもらえるよう、伝え方を工夫できた。
心に刺さる感じで伝えられたのかな。
読んでくれた人からは長文でコメントが。
いつもはコメントなんてつかないんだけど。
いえいえ。こちらこそ励まされます。ありがとうございます。
そのノリで。仕事についてもしゃべって編集してみたら。
新たな仕事がつくれちゃったり
フリーライターをやっているので、「自分で考えたこと仕事にできないか」と思ってつくれたのが、コレ↓
こういうのも、いい感じにまとまるようになりました。
いまはもう途方に暮れることなく、こうして新たな文章を書いている。
*
あぁ、そっか。文章が書けなかったんじゃない。自分を出すことができなかったのか。
そういえば、いつも誰かの顔色を気にしながら生きてたな。
自分を出していいんだ。
飾らないほうがラクにいられる。そんな自分をしっかり見てくれる人もいる。
まぁなんかそれっぽいこと言っときながら、やっぱりついつい人の顔色が気になっちゃうところもあるけど。
少しずつでいい。
これからは、もっと自分を出してこう。