肖像写真がある人は、1839年以降も生きてたってこと!
ある人物の写真について、1700年生まれか、1800年生まれかと聞かれたら、答えはただ一つ!1800年生まれです。
世界で初めての肖像写真、つまり人物の胸上写真は、1839年に撮られたアメリカの写真家、ロバート・コーネリアスの写真です。歴史や思想史を考えるときに、この年号はとても有効だと思います。なぜなら、肖像写真がある人物というのは、19世紀後半以降にも生きていた人だと判断ができるからです。
ギリ肖像画な人々
つまり、ヘーゲルは1831年に死んだので、写真がありません。なんか、目つきが悪い感じでこっちを見てる絵です。
ヘーゲルのように、肖像写真の発明に間に合わなかった組として、ジェレミー・ベンサムが1832年没。
シャルル・フーリエが1837年没。
1858年没のロバート・オーウェン。
キルケゴールも1855年まで生きましたが、まだ写真を撮る機会がなかったのか、肖像写真はありません。なぜかスケッチ多め。
ギリ肖像写真な人々
ギリな感じで肖像写真が残っているのは、1873年まで生きたジョン・ステュアート・ミル、
1883年まで生きたカール・マルクスあたりです。
1900年まで生きたニーチェも写真があります。やはり写真がある思想家っていうのは、思想も5倍くらいリアルに感じられてお得感があります。
石膏たち(おまけ)
ちなみに、さらに時代を遡ると肖像画もないので、石膏像になります。石膏像組としては、ソクラテス(紀元前470-399)や
パルメニデス(紀元前520-450)などがいますが、
もちろん、のちの人が想像で絵を描いたりもしています。
石膏と肖像画の中間はいつごろか、というと、よくわかりません。つまり、中世の思想家は、アウグスティヌス(354-430)や
トマス・アクィナス(1225-1274)は石膏像って感じじゃなくて、絵っぽいです。
ちゃんと調べておらず、どこら辺までが石膏オンリーなのかよくわかりません。絵画史も含めて調べてくれる人がいたらいいなあと思います。