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【たがやすメンバーコラムvol.1】小さな願いから生まれるつくることの豊かさ

たがやすのnoteが始まりました!
こんにちは。たがやす代表理事の山田みなみです。

noteでは、たがやすのメンバーが毎月記事を担当して書かせていただくメンバーコラムや活動について発信することになりました!
どうぞよろしくお願いいたします。

さて、今回は私が主に担当している認知症カフェ(ゆうゆうカフェ)を通して感じていることをお伝えできたらと思います。


認知症のおばあちゃんとの暮らし
認知症カフェ(ゆうゆうカフェ)は、町内の認知症の方を対象に、毎週水曜日に開催しています。一緒に畑で野菜をつくったり、料理をしたり、お店のお手伝いをしたりして活動しています。認知症になっても安心して暮らせる地域を目指した活動で、錦江町さんからの委託事業です。

畑活動の様子

デイサービスではないため、メンバーさんもスタッフもお互いに頼り合い、支援する側とされる側という関係性を超えた、フラットなつながりを大切にしています。また、お仕事や畑作り、おしゃべりなど、今日はどの活動をしたいかをメンバーさん(参加者)に決めていただくことで、ご本人の意思を尊重することも大切に活動しています。

もともと、私のおばあちゃんが認知症でした。一人暮らしはもう危ないからと、広島の田舎から移って、兵庫の実家で両親と一緒に1年ほど暮らしていました。広島では畑で採れた料理や庭にある果物でジャムをつくっていたりと活動的なおばあちゃんだったので、一緒に暮らすことが楽しみでした。ですが環境がガラッと変わってしまったこともあり、外にも出なくなって話すこともほどんどなく、家にいても寝転がりながらテレビを見ているという日々でした。

料理や買い物など何を誘ってもあまり乗り気になってくれなくてガッカリしたこともあり、昔のようにゆっくりおばあちゃんと時間を過ごすことが無くなっていきました。

そして私は鹿児島へ移住。おばあちゃんはその後認知機能が低下して歩くことも難しくなり、施設に入居しました。

思い出がたくさんあるおばあちゃんの家

心地の良いゆうゆうカフェ
私が移住した錦江町では、認知症になっても地域や社会とつながり、安心して過ごすことができる認知症フレンドリーな町を目指しています。ゆうゆうカフェをはじめ、さまざまな事業が始まっており、ワークショップなどに関わらせていただいていました。

ゆうゆうカフェはもともと町として月に1回されていたのですが、毎週開催するタイミングで委託事業としてたがやすがやらせていただくことになり、毎週活動して丸2年。

初めはソワソワしていたメンバーさんも今では関係性が深まり、「今日は何したか忘れたけど楽しかった」と笑いながら自然と会話するようになりました。

友達が多くいるメンバーさんは、友達の家でお話をしていたりで送迎時間に家にいないことが多々あったのですが、その時はドライバーさんはじめ既に車に乗っているメンバーさんとその方を探すのが楽しみの一つとなっていました。(今では電話できるようになり、探すことが少なくなりましたが、、)

そして町内の事業所さんで働く取り組みも始まり、社会とのつながりも生まれるようになりました。

スーパーでラベル貼りをするメンバーさん

参加者の中には、地域や家族に見守られている方もいれば、ご近所さんや家族との関係があまり良くない方も中にはいらっしゃいます。せめてこのカフェは仲間たちに会えて楽しくて、生きがいとなる時間になっていて欲しいです。

またカフェ以外の時間でも顔を覚えていてくれていて、筍をいただいたり、スーパーで会ってお菓子をいただいたりと、ゆうゆうカフェを通して何かあげたくなるような気持ちが生まれているんだなあと嬉しかったりします。

有償ボランティアの方も、このカフェが生きがいで毎週楽しみだと言ってくださったりと、本当にありがたいです。

自分のあってほしい世界をつくる
誰しも願いがあると思います。介護は楽しいく大切な時間であってほしいとか、子どもには大人の都合を押し付けたくないなど、共感してくれる人が多そうな願いもあれば、ゲームはみんなやったほうがいいだとか、このアイドルはみんなが推すべきだとか、共感されにくいものまで本当に色々な願い。

でもそうやって自分の小さな願いに気づいて、それぞれが居心地がいいと思える世界を、誰に言われなくても始めてみる。たとえ完成度が低くても、楽しくつくっていくことができれば、その世界はとても豊かで、偽りの自分を無理に演じることもなく、周りの人とのコミュニケーションも心温まるものになるはずです。

私の場合は、おばあちゃんともっとお互い楽しく過ごしたかったという願いがあり、ありがたいことにこうしてゆうゆうカフェで楽しく過ごせる場をつくらせてもらっています。

見たい景色を見るまではとにかく毎週開催することにいっぱいいっぱいでしたが、2年経った今は一緒に伴走してくださっている役場職員の皆さんや、想いを共有できる仲間、楽しいと感じてくださっているメンバーさんがいて、大変なことも含めてとても豊かでやりがいがあります。

もし自分の居心地のいい空間がなかったり自分を騙して生きている感覚があるのであれば、ぜひ小さくても不完全でも、自分のあってほしい世界をつくる側になって、一緒にたがやしていけたらいいなと思います。

広島のおばあちゃん家に行き、施設にいるおばあちゃんとリモートで繋いでみたりしました。

小さなできることからですね。

何かの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!


たがやすチャンネルは、たがやすのアドバイザーと理事である、平原さんと福留さんが運営されているダイバーシティなカルチャーマガジン「mazecoze研究所」でも転載させていただいており、たがやすを取材いただいた記事も読むことができます。よければぜひご覧ください!


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