気づかないうちに実力以上の仕事をし続けてしまわないためのコツ
1.自分の実力以上の仕事をしてしまっていませんか?
文章を書く時にペンで書くことに比べ、パソコンで文字を打って書くと実力以上のものが出せます。
なぜならば、「自動変換機能」がついているからです。
あるフレーズを思いついた時に、聞いたことはあるけれど、その言葉の漢字が書けないというような状況の時に、
読みだけをキーボードで入力すれば自動に変換され、正しいであろう漢字を表示してくれます。
もっと言えば、フレーズの意味もネットで調べて確認しながら書くことができるので、
ペンで書くだけの方法に比べると、非常に書きやすくなっている側面があるように思います。
振り返れば私が文章を習慣的に書くようになったのも、30代前半の頃からで、
その頃にはすでにパソコンで文章を打ち込むという文化が定着していました。
まだそんなにパソコンを使うことに慣れていなかった10代の頃には、文章を書きたいという欲求さえ湧いてこなかったように記憶しています。
ただ、パソコンで書くことは「実力以上」と表現しましたように、
「実力以上」の能力を扱うことによるデメリットもあると最近感じることがありました。
それは、「自動変換」に判断を任せてしまうという現象に関わっています。
2.無理に実力以上のものを出そうとする時の2つのデメリット
たとえば、「あらかじめ」という言葉を書こうという時に、
これまでのクセで漢字変換すれば「予め」という言葉が出てくると思います。
この漢字を知っていればまだしも、知らなかった時に自動変換でこの漢字に遭遇した際に、
そのまま流れでこの漢字への変換を採用してしまうことになるかもしれません。
しかし読む側の立場に立ってみた時に、もちろんどんな読者が読むかによっても変わってくる話ではあるのですが、
「予め」という漢字になじみのない人が多ければ、その「自動変換機能」を使ってしまったことで、かえって自分の文章がわかりにくくなってしまうようにも思うわけです。
これが実力以上のものを扱ってしまうことのデメリットだと思います。
もしもペンで文章を書くという場合には、基本的には知っている言葉の中から文章を織りなそうとするはずです。
もちろん辞書やネットで知らない表現を調べることはあったとしても、
自動変換のように瞬時に選択肢が表示されるわけではないので、調べた上でどの表現を使うかをじっくり考える余地はあります。
自分の知らない言葉を扱うという意味では、こちらも自動変換と同様に実力以上とみることもできるかもしれませんが、
それは実力以上というより、実力の中でじっくりと向き合っている作業ということもできるのではないでしょうか。
つまり、実力以上のデメリットを生む背景には、自分の頭で考えずに判断することと、そのための時間的な余裕がないこと、の二つがあるのではないかと思うのです。
3.実力以上の成果を出すためにおすすめの方法
私達は様々な場面で「背伸び」をしようとすることがあると思います。
つま先立ちをして本当の身長以上に、すなわち実力以上に身長を高く見せようとする行為を『背伸び』と呼ぶわけですが、
なぜ「背伸び」をするかと言いますと、期待に応えたいとか、誰かに認められたいという気持ちに由来していることが多いので、
それ自体は決して悪いことではないと私は思います。
ただ「背伸び」をすることによるデメリットについてきちんと認識していないまま、「背伸び」をし続けてしまっていると、
自分の身体にいつの間にか負荷をかけ続けてしまうことへとつながりかねません。
実は実力以上の成果を出すために、自分が背伸びをする方法以外にもう一つおすすめの方法があります。
それは「他人の力を借りる」ということです。
文章で言えば、すぐれた作家さんの表現を真似してみるということになると思いますが、
上手に他人の力を借りることができれば、自分は実力そのものを出しているだけであっても、実力以上の成果へとつながり、
かつ自分の身体にも無理がかからないということになりますし、
その他人の力を借りるというプロセスを経て、自分も実力自体を高めていくことも可能となります。
やはり人と人とはつながっていくことでうまくいくように出来ているのではないでしょうか。
人と人とつながることに潜むデメリットも当然あるとは思いますが、
目指すべき方向はそちらの方にあるのではないかと私は考える次第です。