『ワークマンはなぜ2倍売れたのか』
最近何かと話題のワークマンの躍進を取り上げた1冊。
商社出身で60歳を超えてワークマンにやってきた専務の土屋氏を中心に、ワークマンプラスの成功や、その成功に至るまでの経緯が詳述されている。
本書を読んで徹頭徹尾知らされたのは、ワークマンは決して競争をしない会社であるということ。
価格帯や顧客ターゲットなどなど、ユニクロなどの大手SPAとも重複することなく、限りなくニッチ路線を選択し、ホワイトスペースで戦っているという、競争戦略における定石を身をもって体現している会社であるということ。
そして、徹底したローコストオペレーションで徹底的にムダを省き、社員やFC加盟店といったステークホルダーに利益を還元する。
本書の主観も交じっているかとは思うが、ワークマンのFC加盟店は、コンビニのそれとは打って変わって、超ホワイトFCチェーンだという。
頑張った利益をFC加盟店に還元し、加点主義で多くの報奨金を支払う。
また、一括発注システムで本部が徹底的に考え抜いた在庫を店舗に陳列するオペレーションを徹底している。
まさにデータドリブンな経営が貫徹しているのだろう。
ワークマンプラスの躍進はだれでも知るところとなったが、これが一過性の流行に終わらずに、これからも躍進を続けられるかは土屋氏をはじめとする経営陣の手腕にかかっていることだと思う。
ただ、本書で説明される徹底的な哲学ともいえる経営手法が本当に貫徹されているのであれば、まだまだワークマンにとっての成長余力は存在するするものと思っている。
これからの同社の成長と躍進を注視してみてゆきたいと思った1冊だった。
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