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静かな『告白』

『お父さん。わたしは一年半片想いした。告白なんてお父さんが初めてだった。初恋だよ。あれから際限なく恋をぶり返してる。今もだ』

『わたしもだよ。あなたに長いこと恋をした。初恋だ。あなたとの17年がわたしの全てだ』

『お父さん。理性では分かっているが、わたしはお父さんが存在しなくなることには耐えられない。耐え抜く為にケア会議をしてもらってもいいか?』

『勿論だ。ケアマネさん、ケースワーカーさん、看護師さん、皆、暖かい方ばかりだ』

『ガジ先生という理解者がいないことが堪えるんだ。ある程度数値が悪化したら、わたしはお父さんをこの世に呼び戻すことはやめる。お父さんが苦しまず、眠ったまま静かに逝けることだけが望みだ』

『ぜひ、そうしてくれ。わたしはそんなふうに死ねたら、どんなにか有り難いか』

お父さんと話した。
静かに、真剣に。
お父さん。
弱くてごめん。

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25歳 上の夫(令和5年、77歳。重篤な基礎疾患があります)と私との最後の「青春」の日々を綴ります。

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