『戦争』への一個人の雑記。
今朝入ってきたニュース記事を読んだ。
ウクライナ情勢についてである。
ロシアの国営メディアのとある右寄りの司会者についての記事であった。
この人は、「この戦争は、ウクライナを存続させないための戦争だ」と発言していたそうである。
今ウクライナで、ロシアに占領された地域のウクライナの子どもたちが、「自分たちはロシアの捕虜である」という認識があまりに 強く、ロシア軍のやっている「ロシア化の教育」が全くうまくいってない そうである。
そのことに関して、このロシアの国営メディアの右寄りの司会者は、「子どもたちを水につけて殺すべきだ」「子供たちを焼いて殺してしまうべきだ」などの発言をしたそうであった。
それが「ジェノサイドの助長に当たる」との見解 から、この司会者は、戦争犯罪人に該当するということになったそうであった。
その結果について、この司会者は 、「あぜんとさせてしまってすみません」といったようなコメントをしたそうである。
私はこの記事を読んで、これが戦争なんだな、と、そう思った。
相手の国の国民、ただそれだけだと言うだけで、こうも簡単に憎しみが湧いたり、いとも簡単に「殺してしまえ」そんな言葉が出てしまったり、おそらく 実際に「殺せばいいのに」そう思っている人もロシアの国営メディアを見ている人の中にはいるんだろう。
ロシアから続々と送り込まれる兵士たちに向けて、ゼレンスキー 大統領が言った言葉が思い返される。
「ロシアの兵士たち。投降してください。あなた方が生き延びる道は、それしかありません」
そして 以前テレビで見た、ウクライナの捕虜になったロシア兵の言葉が思い返される。
「戦争をするなんて聞いてなかった!我々はプーチンに騙された!」
実際 、この戦闘が激しくなっている今、ウクライナの捕虜になったロシア兵 や、ロシアの捕虜になったウクライナ 兵が、どのような扱いを受け、どういう状態でいるか、本当のところはもう分からない。
第二次世界対戦のとき、日本は自国民の若者たちに片道切符の燃料だけ与え、爆撃機に乗って自分ごとアメリカの艦隊に突っ込んで死んでこいと命令した。
日本は敗戦後、民主主義国家になった。
もしも八紘一宇を本当にやっちゃっていたら、日本だって今のロシアみたいな、今の中国みたいな、そんな立場の国になっていたかも知れない。
日本人は、第一次対戦、第二次対戦とやっている最中、ロシア人を「露スケ」と呼び中国人を「ちゃんころ」と呼び、散々 蔑視してきた。
お父さんの入院中、かなりお 年のいった世代の人たちが、ニュースを見ながらそういった言葉を普通に使うのを聞いてきた。
「台湾有事」が起きれば、「日本有事」だって当然 起きる。
twitter では「これがこの国の国民性だ」と言ったツイートが見受けられるようになってきた。
これはとても危険だと思う。
私はどうしても、「ロシア人だから」「中国人だから」と、そう 一括りには思いたくはない。
私はウクライナ情勢が始まった頃、Twitter でロシア語で発信ばかりしていた。
「私は日本人です。日本は唯一の被爆国です。日本だけで終わりにしましょうよ 被爆国は」
その言葉にいいねしてくれた人は多くいた。
「ロシアの若い兵士の皆さん。ウクライナの人を殺さなければ、あなたは上官から殺されますか?」
いいねした人は7人もいた。
そんなやり取りをしていると、一人一人を憎めないのだ。
中国 だってそうだ。
共産党大会の最中、独裁政権に反対する人々は、監禁されたり軟禁されたり、表に引っ張り出されてそこで寝かされ、四六時中 監視された。
「中国人だから」「ロシア人だから」。
ひとりひとり、個人個人、その人たちの良心と置かれた立場と、それでもどうにもならない葛藤と、死への恐怖と。
そういったことを忘れては、いけないのだと思っている。
ウクライナでの前線のロシア兵 は悲惨である。
たった28日間の訓練で、ろくな 装備も与えられず、これではほとんど上官の 弾除けである。
そうやって死んでいる。
プーチンの支持率がいまだに高い、それだって 信憑性がない。
習近平は、国の経済がめちゃくちゃで、焦りまくっている。
この人もほとんど プーチンとそんなに変わらないじゃないかと思う。
「台湾有事は起こすべきではない」そう考えている中国の人達だって、おそらく 山ほどいるだろう。
実際 中国の国内には、「生活が大変で、とてもとても 戦争 どころじゃないよ!!」そんな人で溢れているのだ。
それを YouTube で発信しては、削除され逮捕され、それでも訴えたい、今のこの悲惨な生活を訴えたい、そんな中国の人たちは山ほどいる。
戦争なんて本当にクソくらえだ。
「戦争ができる人達、戦争がやりたい人達」は、お金があってご飯が食べられる人ばっかりである。
プーチン だって 痩せてない。
たぶんきっといいもの食ってんだろう。
習近平 なんかコロコロ 太っている。
相当いいもん食ってんだろう。
ロシアも中国も、「まともに食べられない人たち」が溢れていて、その人たちが前線に駆り出されるのだ。
「日本有事」が起こって、例え 自分が殺されることになったって、私は自分を殺す人を憎みたくない。
その人だって、「私を殺さなければ殺されるからだ」。
末端のお金のない「市井の人」なんだ。
命令されて、上官に背けば殺される、そういう人であるからだ。
私を殺す人が、どんな境遇でそこにいるかわからないからだ。
仮に本当に「日本有事」が起こったとして、自分が爆撃で死ぬか銃で撃たれて死ぬか、そんなのわからないけれど。
私が「一個人」として「戦争というものに持つ怒り」。
それは「私は命令されても人の命を奪いたくないということ」そして、「命を奪われる時、人を憎みたくないということ」である。
「あなたが殺されるなら、仕方がないさ!殺していいよ!」
それが私の「戦争」への怒りの言葉である。