『天秤』
時は千里にしてまき戻らぬ私の北条
切れ切れに生きて切れ切れに死ぬたくさんの水色
私の中の臓腑は金魚鉢の中に泳いで
血管という血管をすべてきれいに削ぎ落とした
「この苦しみがわかるかい?」
そう言ったのは
精神科の待合室にいるあなただったかそれとも
あなただったか
ベットに横にならなければいられないほど
脂汗をかいた私だったか
散り散りになった私の脳漿が
私を屹立させないのか
「おかげさまで精神状態がとっても安定しています」
滑らかに私は今日そう告げたのだった
ではこれは何だ
私の足は震え両腕は力なく
椅子に座ることもおぼつかないではないか
ここから先は
510字
¥ 100
期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
よろしければ、サポートお願いいたします!!頂いたサポートは夫やわたしの医療費や生活費に使わせて頂きます。