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開業奮闘記④人に付いて人に教わる

今年で歴11年の鍼灸マッサージ師となりました。歴11年といっても、同じ会社、サロンで経験を積んだわけではなく、2〜3年おきに転々と分野を変えて施術をしてきました。

卒業直後はあまりビジョンが湧かず、やりたい事もなかった私です。

とりあえず接骨院?という感じでしたが、学校で疲れ果てていて、やる気も特に無い感じ。しかも、内定が決まった直後に東日本大地震があり神奈川県は停電してしまいました。当然接骨院など営業できませんし、ましてや何もできない新卒を雇っている余裕などありません。急遽そこで訪問マッサージをやることに。

訪問ならば私が車で伺えば良いので、待っている院内より患者さんの減少はありません。

鍼灸マッサージの資格と運転免許証がないとできないので、そちらで採用となりました💦そこから内科疾患、難病、後遺症の現場を学び、鍼灸マッサージの意義を知ります。そうすると『あぁこのままだと鍼とマッサージが上手くならないな』と気づく。

訪問マッサージをやれども、これでは上手くならない。何故かといえば、患者さんの状態が『治るものではない』からです。これ以上悪くならないようにする、QOLの向上を目指す、といった部類にあたり『私の技術で患者さんの手足が動くようになる』わけではないのです。

そこでスポーツ鍼灸マッサージをやっている接骨院へ転職。ここでは鍼灸とマッサージの手技を寝る間も惜しんで教わりました。趣味の柔術へも行く時間などなく、全ての時間を仕事に捧げる毎日。修行と諦めて3年は続けよう、そう思いました。
続けるうちに、接骨院ではマッサージをやる部位が局所、施術時間も短すぎる💦と気づいた私はここからエステの世界へ。顔、頭、手足など、パーツの施術をエステで学びました。

こうして、国家資格でできること全てにトライしました。

思ったのと違うから辞めたのではなく、次を知りたくなって辞める、そんな感じです。おかげで手数は多いです。治療もリラクゼーションも一人で全部できるし、経験と知識もあります。自分のサロンでは、駆け込みで来るギックリ腰、寝違え、接骨院で対応できるものから120分のボディフェイシャルまで、何でもニーズにお応えしています☺︎

それというのも、私が頻繁に就職先を変えてきたおかげ…✨ではありません。

どこもかしこも実力のある先生、先輩がいて現場で徹底的に教わることができたからです。これは運もあるかと思いますが、偶然にも先生、先輩、店全体がノリに乗っている時に私が入るので、すでに勢いと活気で溢れていました。

私は音響さんをやっている時から『人にピッタリくっついて教わるスタイル』を貫いています。だから疑問、質問がしつこく、時にはしつこすぎてドン引きされたり怒られたりもしました。それでもやっぱり、その先生に教わりたい✨何でそんなにスゴいのか?そういう好奇心に満ち溢れていました。大体みなさん、私のことを『コイツ、すぐ辞める』と思うらしいのです。熱さがないから。

熱さはなくとも何故?どうして?わからぬ‼️言ってることがわからぬ‼️というクレイジーなしつこさに、冷たかった先生、先輩も最後は根をあげてしまいます。それで一人前になって『あの時はああだったねー』と笑い合う。人に付いて人に教わるというのはこういう喜びがあるんですね。

今はほとんどこういうやり方はしないみたいですね🤔

まず入社すれば社員研修があって、マニュアルが配られて、手順を覚える。少し経ったところでみんな同じことができるか?先輩、上司のチェックが入り、時として面談をし気持ちの確認をする。そのシステムの精度も上がってきているので、それだけで短時間である程度のレベルの人材が育つという。
PDCAサイクルなど昔は知りませんでしたし、ありましたっけ?って感じです。今はそれを組み立て、それに乗れば無意味な業務などなくなり確実に成果が出せる、はず。でも、私は一人で考えて一人でゴールに行くことって可能なのかな…と疑問を感じます。

私は本当に先生と先輩に恵まれていました。高額なカリスマ鍼灸師のセミナーを受けたところで学べない、現場の生の技術をずっとそばで学ばせてもらいました。人に付いて人に教わると、自分ができるようになったこと、できないことが良くわかります。先生、先輩もおごることなく、時には私から学ぶこともありました。『どうやってあの患者さんの神経痛治したんですか?』と聞かれたこともあります。まぁ、偶然だったので説明できませんでしたが。

人から直接学ぶということは技を盗むこともできます。マニュアルや研修は『みんなが同じことをできるようになる』だけ。そこから抜け出すには自分のどこが不足しているのか?知識、技術のどちらが欠けているのか?己を知る必要があるのです。私はそうやって何気に相当な技を盗んできました。

今となっては私が年齢的に先輩すぎて、誰かが怒りつつ物を教えてくれることはありません。委託先では新しく入ってきたスタッフがよく私の接客を隣のカーテン越しに聞いています。残念ながら、私はトークは上手くないんですけどね💦それでも指名がつくということは、私からトークを学ぶのではなく技術を学んだ方が正解と言えます。

マッサージの技術だけでなく、サロンワークにもコツがあって、無駄のない動線の作り方とかタオルワークにも安心感を与えるコツがある。これは横で聞き耳立てても永遠にわからないこと。それこそ『直接聞けばいいのに』といつも思います。人から教わる経験がないと、PDCAサイクルのように自分で表作って自分で考えるしかないのかもしれません。

ちなみに、コロナを機にPDCAサイクルは無意味という、今までの常識を覆す意見も出てきています。今更そんなこと言われたって…と思う逆説が炸裂。感染症といった思わぬ伏兵が出てきた時はPDCAのように順調に進むことが前提の考え方だと応用が利かず行き詰まるのだそう。

私の誇りは『良き先生、先輩に恵まれたこと』✨カリスマ鍼灸師やコンサルのセミナーを受けたのではなく、素晴らしい技術者のみなさんから教えを乞うことができたことです。仕事への意義、やりがいやモチベーションに疑問が出てきたら、自分の学び方を変えてみてもいいかもしれませんよ。






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