【小説】にごりえ
樋口一葉の『にごりえ』の一部を最初に読んだのは英文でした。
英語を一生懸命勉強していたずっと以前に、何かの英語テキストで『にごりえ』が紹介されていたのです。
その中で、
<原文>
相手はいくらもあれども
一生を頼む人が無いのでござんす
<英訳>
Sure, I have loads of admires
―― but not one I can trust my life to.
という箇所が心に残り、文庫本の『たけくらべ・にごりえ』が私の本棚に加わることとなりました。
その中に収録されている作品では『十三夜』に深く共感し、そんな自分にびっくりしたことも妙に覚えています。
本日11月23日は、勤労感謝の祝日であり、樋口一葉の忌日です。
これも何年か前に、昼と夜(といっても21時まで)の交代勤務がある仕事をしていた時に、たまたま休憩室のテレビで見て知ったことで、家族のために働き詰めだった一葉と祝日名がピタリと重なって、以来、11月23日は、私にとって、祝日であるとともに一葉を偲ぶ日となりました。