
蜜蝋さんの「小菊舞う」の画像から「ボレロ」を思い出したという話
昨日、蜜蝋さんのこの記事を拝見して…
ふと思い出したのが、バレエ「ボレロ」。
さてボレロとは何ぞや、ということからご説明します。
ボレロの曲は、有名なのでご存じの方も多いかもしれません。
2種類の旋律が延々と続く曲です。
最初はフルートの小さい音から始まり、クラリネット、オーボエ、ファゴットなどの木管楽器が旋律を奏でます。
その間、スネアドラムによって、一定のリズムが刻まれています。
同じ旋律を繰り返すうちに、色んな楽器が加わります。
最終的には、バイオリンや金管楽器も加わり、クライマックスを迎えるのです。
さて、この曲に合わせて演じられるのが、バレエ・ボレロです。
そのストーリーは…
セビリアのとある酒場。一人の踊り子が、舞台で足慣らしをしている。
やがて興が乗ってきて、振りが大きくなってくる。
最初はそっぽを向いていた客たちも、次第に踊りに目を向け、最後には一緒に踊り出す。
(Wikipediaより)
バレエといっても、ボレロは「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」などのクラシックバレエとは趣が異なります。
優雅さに重きを置くクラシックバレエと違い、力強い動きが特徴です。
初演は1961年。
モーリス・ベジャールの振付です。
暗い舞台の中央に、スポットライトが当たり…
ダンサーが照らし出されます。
最初は最小限の動きから…
徐々に力強い振付になり、ラストは群舞に囲まれます。
この群舞が、蜜蝋さんの小菊に似ているなぁ、と感じたのです。
実際に見ていただくと、おわかりいただけるかと思います。
「ボレロ」といえば、ジョルジュ・ドン。
モーリス・ベジャール主催の20世紀バレエ団所属の、希代のダンサーです。
今も、ボレロを踊るダンサーは、このジョルジュ・ドンの舞踏を参考にすることが多いそうです。
力強い動き、躍動感が素晴らしいです。
群舞は「酒場」のイメージか、それぞれ違った衣装になっています。
そのあたりも見どころかな、と思います。
こちらは、ボリショイバレエ団のマヤ(マイヤ)・プリセツカヤ演じるボレロ。
マヤ・プリセツカヤは、ボリショイバレエ団のプリマ(主席)バレリーナでした。
当たり役は、白鳥の湖・オデット/オディール、眠りの森の美女のオーロラ姫。
ボレロの力強さの中に、女性ダンサーらしい「柔らかさ・優雅さ」が垣間見えるような気がします。
終始笑みを浮かべた表情も、見どころです。
群舞は、こちらも酒場をイメージした衣装となっています。
本当に酔客に見えるところが、すごいです。
個人的に一番好きなのが、このシルヴィ・ギエムのボレロです。
シルヴィ・ギエムは、パリ・オペラ座のエトワール(主席ダンサー)でした。
もともと体操選手として、12歳でオリンピック国内予選を突破したシルヴィ・ギエムは、身体能力の高さが特徴です。
シルヴィ・ギエムのボレロは、力強さにあふれながらも、とても軽やかです。
動きがしなやかで、美しい。
また、トゥ(つま先)の動きがキレイです。
群舞は、全員が上半身裸、黒パンツで統一。
寸分たがわぬ動きが素晴らしい。
このあたり、ジョルジュ・ドンやマヤ・プリセツカヤの群舞とは違います。
ジョルジュ・ドンやマヤ・プリセツカヤのボレロにおける群舞が「酔客そのもの」だとすると、シルヴィ・ギエムのそれは「酔客をあらわす芸術」なのかなぁ、と思ったりもします。
ちなみに群舞は、東京バレエ団です。
シルヴィ・ギエムのボレロは、もう何度も再生しました。
落ち込んでいる時に見ると、元気になれます。
***
私はもともと、バレエを観るのが好きでした。
20歳の頃、森下洋子さん演じる「コッペリア」を観に行きました。
森下洋子さんといえば、戦後の日本が誇る名プリマです。
私が見た時は、もう50歳に近かったと思うのですが…
舞台で踊るその姿は、少女にしか見えませんでした。
最近ではバレエに触れる機会もなかったのですが…
蜜蝋さんの写真により、あらためて動画を見ました。
また今回、「ボレロ」について調べたこともあり…
自分の知見がひとつ増えました。
だから、noteは面白い。
きっかけをくださった蜜蝋さんに、感謝をこめて。
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