【詩】フルムーン6月
エメラルドの森を
空から落ちる青い雨が
広がる黄色い大地に染み込んで
より色を濃くする
太陽のエネルギーをまとった
火の鳥たちは
おしゃべりをしながら
飛び回っている
夜の森は
フルムーンの輝きを吸収して
エメラルドのライトとなって
やわらかい暗さが広がり
降り注いでいる
緑をまとって歩くと
フルムーンは赤い実でジャムを
作っている
青いジャムを持っているので
交換しようかと思っていると
それを捨てて
こちらにくれば考えるというので
青いジャムを蹴り上げる
一面の田に張る水面に浮かぶ月は
こんなにも輝いているのに
本当の姿は映らない
足を踏み入れると
カエルたちは静まりかえり
波紋は月をゆらゆらゆがませて
青い染みができていた
「ストロベリームーン」