【詩】フルムーン4月
朽ち果てた根本から
小さな枝を伸ばして咲く山桜も
風にゆられ 花びら散らし喜ぶ
空と山に接続し
エネルギー充電100%目指し
少しずつ伸ばす
舞う花びらを追って寄り道していると
フルムーンが
熊はいないからゆっくりしていってね
やわらかく照らして言った
ライトグリーンで一色に染まると
開始の合図
山がせわしなく動き出す
風は花びらをフルムーンまで届けたら
静かにしているので
今日は遠くまで声を投げた
フルムーンの横を通り過ぎ
牛飼いのアルクトゥールスを訪れるといい顔はせず
乙女のスピカはおだやかで
獅子のデネボラは眠たそう
確かに七つの星の大熊はしっぽをこちらに向けて
気がついていない
朽ちはてた山桜の根本にうずくまり
いっしょに眠りについた
「ピンクムーン」