アルツハイマー病の新しい治療標的
アルツハイマー病の予防薬開発に繋がりそうな研究の記事が面白かったのでメモ。
アルツハイマー病について
アルツハイマー病はアミロイドβの蓄積、タウタンパクの蓄積を経て神経変性を引き起こすことで発症する認知症。
Presenilin変異はアルツハイマー病の原因となる遺伝子変異のひとつで、異常タンパク質が蓄積しやすくなる。
そのため、アミロイドβが蓄積しアルツハイマー病を発症しやすい。
アミロイドβが蓄積しても発症しなくなる遺伝子変異
Presenilin変異によりアミロイドβが蓄積しているにも関わらず、認知症を発症しなかった人を調べたところ、Reelinというタンパク質に変異がみられた。
Reelin は発生で脳を正常な形に発達させるのに関わるタンパク質で、APOE受容体などのタンパク質に作用する。
変異したReelinの働きを調べると、APOE 受容体の下流で働くリン酸化Dab1が増加し、TAUの蓄積が抑制されることが分かった。
以上から、ReelinからAPOE受容体, Dab1を介したTAU蓄積の抑制の経路が新しいアルツハイマー病の治療、予防の標的となることが示唆された。
感想
Dab1がどのようにしてTAU蓄積を抑制するのかなどのより詳細なメカニズム解明と治療薬開発に繋がってほしい