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佐藤優からロバート・ハリスまで

佐藤優のYouTubeを聞き続けているせいだろうか。ここ数日、ミサイルから逃げまどう夢をよく見る。一昨日は、家族で海辺で遊んでいたらミサイルが飛んできて近くの建物が破壊された。昨日は、住んでいるアパートだかホテルだかにミサイルが飛んできて、ベランダが破壊され、そこからやはり逃げまどった。頭の中が国際政治に染まっているのかもしれない。そんな中、佐藤優著『佐藤優の特別講義 戦争と有事:ウクライナ戦争、ガザ戦争、台湾危機の深層(学び直しの時間)』を読み始める。

世界情勢というのは常に複眼的に見る必要があるので、ここに書かれている内容を全てそのまま鵜呑みにする、ということではない。ただ、現在の日本のメディアの報道があまりにも西側に偏っている、ということを鑑みたときに、そのカウンターパートとして、佐藤氏の論考には非常に意味がある。また、以前買ったまま読まずにいたアインシュタインとフロイトの『ひとはなぜ戦争をするのか』もきちんと読もうと思った。

同時進行でケストナーの『独裁者の学校』も読み始める。いま調べて知ったのだが、ケストナーは児童文学の名著『エーミールと探偵たち』の著者でもあった。また『飛ぶ教室』や『ふたりのロッテ』の作者でもあり、さらに『ほら吹き男爵』も執筆している。知らなかった。

さらに、岩波書店版の『エーミールと探偵たち』は、訳者があの高橋健二とのこと。高橋健二といえば、新潮社版のヘルマン・ヘッセの著作の訳者でもある。若い頃、高橋健二訳の『荒野のおおかみ』と『デミアン』と『シッダールタ』に非常に強い影響を受けた。これは是非とも入手したい、ということで、さっそくアマゾンで購入。

そもそもヘルマン・ヘッセのことを知ったのは、いまもJ-WAVEでパーソナリティをされているのだろうか、ロバート・ハリス氏の『エグザイルス』を読んだことがきっかけだった。ハリスさんに触発されて、二十歳の頃、サンフランシスコを一人でうろついたり、バンコクでバックパッカーをしたりした。ハリス氏のサイン会に行ったこともある。歳を重ねてもかっこいい、というのは本当にかっこいい。

この辺りの源泉というのは結局はニーチェにある。ニーチェは『ツァラトゥストラ』の中で、「自らの裸が醜いのであれば高貴なるマントを羽織れ」というようなことを言っていた気がする。それは「武士は食わねど高楊枝」にもつながる、粋なやせ我慢なのかもしれない。歳を重ねたからこそ醸し出されるダンディズム、というものを追求してもいいのかもしれない、と感じる金曜の深夜。

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