【日記】柳田理科雄先生を思い出す日
10年以上前のことだが、
学校の図書室で読んだ空想科学読本シリーズにどハマりしていた。
僕世代の科学好きな少年少女は結構な割合で読んでると思う。
そのシリーズから派生した本で、空想科学生活読本というのがある。
生活に関わるいろいろなモノが、科学の力で今後どう進化していくのか予想するという内容だ。
その中で、傘の発展形としてユーザーの頭上を浮遊するUFOのような傘が提案されていたのだが…
これじゃん。
たまたまネット見てたら出てきてびっくりした。
件の本が出版されたのが2007年だから、実に17年越しの実現というわけだ。
柳田先生 (著者)、先見の明すごいな。
というわけで、
今日の日記は思い出しついでに柳田理科雄先生について書こうと思います。
初めて見た時は絶対ペンネームだと思ったが、なんと本名だそうだ。
ものすごい名は体を表しっぷり。
なんでも、お父様が「これからは科学の時代だ」ということで命名されたとか。
よかったな理科雄先生。
今の時代に生まれてたら絶対「ChatGPT雄」とかにされてたぞ。
そういえばイーロンマスクは息子にAIの型番みたいな名前付けてたな…
柳田先生のお父様はイーロンマスクみたいな人だったのかもしれない。
ともあれ、お父様の予想通り科学の時代が到来した。
そしてご子息は授かった名に恥じない、科学の時代を牽引する研究者の一人になったわけだ。
親子揃って先見の明がすごい。
柳田先生の代表作である空想科学読本は、アニメや漫画や特撮などのコンテンツを科学的に検証するというコンセプトのシリーズだ。
『人型のヒーローが超音速で飛行すると首がもげる』とか、
『タケコプターで飛ぼうとすると頭皮が引きちぎれる』とか。
そんな身も蓋もない切り捨てようが小気味良くて、夢中で読み進めた記憶がある。
このコンセプトは「子どもの夢を壊す」と少なからず批判を浴びたそうだ。
…まぁそりゃそうだ。
作品の世界観に浸っている子どもたちからしたら興醒めもいいところだろう。
でも僕は、このシリーズが大好きだった。
確かに夢を壊す面もあるが、それでも面白いと思えたのは文章から柳田先生の空想科学に対する愛が感じられたからだ。
大人が子どもの夢を壊すとき、大抵そこには無関心か嫌悪がある。
「こんなのは全部作り話だ」
「こんなくだらないものに夢中になるな」といった具合だ。
柳田先生は空想科学を「実際にはこうはならない」とやんわり否定しつつも、
それに夢中になる気持ちは絶対に否定しない。
どころか、
ご本人が一番SF好きだろと思わせてくれるような文章を書くのだ。
無邪気に夢を見ているだけでは、夢を叶えるには遠回りだ。
夢が実現しない理由に向き合った上で、どうやってその問題をクリアしていくか。
その過程こそ、まさに科学。
決して楽ではないこの道のりを歩み続ける原動力となるのが『好き』という気持ちだ。
柳田先生は著書を通して、
『好き』を持ちつつ現実にもちゃんと向き合う必要性を論じ、かつそこにエンタメとして楽しめるポップさを加えて提供するという離れ技をやってのけていたのだ…と思う。
そんなアツいものに幼少期からあてられた僕は、未だに「科学者」という営みを諦められないでいる。
お世辞にもいい教育を受けたとは言えないが、
自分の知識と技術を駆使して目標を達成することが趣味でもいいから続けられたらな。
目下僕の夢はAI作ることだけれど、知識も技術も努力もまだまだ何一つ足りてない。
頑張りたい…!