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年賀状を楽しもう
初めてパソコンで年賀状を作成したのは1,997年の暮れだった。
夫の仕事関係は会社から出すので、自宅からは親戚や交友関係が主だ。
夫はやらないからもっぱら私が請け負っている。
あれから25年…
当初は年賀状作成ソフトが今ほど充実しておらず、プリンターの設定も細かな調整が必要だった。
郵便番号の枠から数字がはみ出したり、裏表上下誤って印刷したり、入力ミスで不用な枚数作っちまったり、インクの乾きが遅くて宛名面が汚れたり。
あれやこれやで、年明けお年玉大抽選会が済んでから、一枚五円手数料で切手やらと引き換えてもらう年賀はがきの数がけっこうな枚数あった。
パソコンやプリンターの性能ばかりでなく、ひとえに、私が不器用なおかつ機械音痴ゆえではあるけれど。
しかし年々、ソフトは充実してプリンターは高性能になり、インクの乾きは早く、私も多少は操作に慣れた。
ソフトにも無料素材にも、素晴らしいデザインがあふれているので、背景やイラスト、使用する字体、挨拶文など、オリジナルのこだわりがなくなり、テンプレ通りに作るようになった。
年賀状作成はそれほど大仕事でもなくなった。
またこの十年ほどは、喪中欠礼を機会に自然消滅したり、高齢のため辞退をされる方が増えた。
今年はついに、会社員時代の同期が亡くなったとご家族から便りが届いた。
新しく知り合いになっても、年賀状のやりとりは始まらないから増えることはない。
そんなこんなでかつての三分の一程度の枚数なので、片手間でできてしまう。
親戚や夫の知人、子どもたちの恩師宛はすでに投函した。
あとはゆっくり、私の友人知人宛に、メッセージを添える。
別に元日に着かなくともよい。
いつかまた会おう、と四十年余も伝え合っている旧知もいる。
おそらく、もう会うことはないだろう。
それでも、数十年やり取りが継続し、壮年期は過ぎて、落ち着いて年の瀬に短い便りを書き添えられる年齢になった。
そのことを楽しもうと思う。