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安倍清明 天文観測の地〜安倍文殊院(奈良県)


安倍仲麻呂望郷之詩

天の原
ふりさけ見れば
春日なる
三笠の山に
出でし月かも

(榊莫山氏の書は一目で分かりますね)


詠み人の安倍仲麻呂公は遣唐使に同行した留学生。30年を経てようやく帰国を許され、現在の寧波(ニンポー)市で、この望郷の思いを詠んだ。

結局、安倍仲麻呂公を乗せた船は難破して帰国叶わず、唐で72歳の生涯を終えたとも。


さて、この歌碑があるのはどこなのかと言いますと、安倍文殊院です。正しくは安倍山崇敬寺文殊院といいます。

もともとは安倍寺の一院で、安倍氏一族の墓所だったと伝えられています。なので、安倍仲麻呂公が「当山出生」と石碑に刻まれているのでしょう。

このへんの史実については「らしい」というのが、事実に正直な態度であり、正しいと思います。正確性が確認できない物事は「しっかり精査」しなくっちゃね(笑)

史実に諸説ありつつも、当寺域をそぞろ歩きしてみますと、例えば同じく安倍氏一族である安倍晴明の影が見え隠れしているかのような錯覚を覚えます。そういう雰囲気、空気に満ち満ちている安部文殊院です。

ある日暮れの、こんな古寺探訪。

おしまい