改造詩人参拾玖号「午後三時の憂鬱とワクワク」
午後三時の日差しがカーテンを透かす
湿気ったポテトチップ
食べる気がしない
テレビをつけると
マスダユキオのスキャンダル
チャンネルを変えたら
外国の映画が流れていた
スーツを着た白人が銃を撃つ
銃声がやんで悲壮な音楽が流れた
シーンが変わって賑やかなバー
デニムジャケットを着た男が
ブロンドの女といい感じになる
気の抜けたサイダーを飲み干して
床に放ったジャンパーに袖を通し
踵の潰れたスニーカーを履いて外に出た
放課後の高校生
買い物カゴ下げたおばあちゃん
速歩きの女
雲のない冴えた空を見上げながら
街を歩いていると
電柱に変な張り紙を見つけた
イナズマみたいな模様のシマウマが
「She Said Yes!」
と叫びながら、ドラムを叩いている
”なにかないかな おもしろいこと”
という歌詞を思い出して
俺は古本屋に入った