改造詩人号肆拾号「澄んでるな」

羽を広げた鶺鴒が 冬の日差しで輝いてる

どこへいくんだろうな

ブーツの踵を鳴らしながら 白けたアスファルトを歩いている

あいつの声を思い出し マスクの下でほくそ笑む

気持ち悪いなと また笑う

11月の冴えた空気

6年過ぎたっていうのに

あの日の色は褪せないな

歌いなよ 

泣きそうなくらい

歌いなよ 

笑っていた

歌いなよ

まどろみの中 明日を抱きしめたい


コーヒーの湯気と 白い息が混ざり合う

どこへいこうかな

子どもたちの声が 時を進めていく

滑り台の反射で 何も見えなくなった

涙が恋しいのはなんでだろう

11月の冴えた空気

6年過ぎたっていうのに

あの日の色は褪せないな

歌いなよ 

波の音を

歌いなよ 

探していた

歌いなよ

夢見るように 明日を抱きしめたい


記憶の中の あの風景は

震えるような眩しさは

35ミリの映画のよう

懐かしさと流れていく

鳥の声を聞きながら

冷たい風と歌いながら

小さい雲が一人泳ぐ

空は澄んでるな

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