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もう夢は急がされている

タイトルは井上陽水と忌野清志郎合作の「帰れない二人」の一節だ。
この歌詞を聞いた時、思わず唸ってしまった。洋楽とかKPOPとかを聞く時はどちらかと言うとメロディとかリズム重視で好きな曲を聞くのだが、邦楽はロックであれポップであれラップであれ、歌詞も愛する理由にしたい派の人間だ。
歌詞厨でもある私は、「帰れない二人」の叙情的な詩(詞)にどうしても惹かれてしまう。


ここで歌詞全文をとりあえず載せときますね〜

思ったよりも夜露は冷たく
二人の声もふるえていました
「僕は君を」と言いかけた時
街の灯が消えました
もう星は 帰ろうとしてる
帰れない二人を残して

街は静かに眠りを続けて
口ぐせのような夢を見ている
結んだ手と手のぬくもりだけが
とてもたしかに見えたのに
もう夢は急がされている
帰れない二人を残して

もう星は帰ろうとしてる
帰れない二人を残して

この曲での星と夜と夢の描かれ方の素晴らしさよ。
わかりますか?わかりますね。

夜はさみ〜ね、とは言われてないのに夜の冷たさがわかる。
季節の変わり目です、とは言われてないのに「思ったよりも」でなんとなく夏から秋にかけてなのかなとわかる。
深夜ですよ、と言われてないのに星が「来た」のではなく「帰ろうとしてる」ことから、夜も更けにけりなことがわかる。

私が特に!好きなのが夢の表現で、「井上陽水の歌における夢について」という題名で論文でも書きたいくらい!「夢の中へ」とか「恋の予感」とかの夢の表現も好き。

「帰れない二人」は全員が夢を見ている。でも、世界と「二人」はぱっつり切り離されている。
世界が夢を見ている(寝ている)時、「二人」もまた夢を見ている(永遠に二人でいることを望んでいる)のだが、この二面性!私が勝手に解釈してるだけカナ⁉️⁉️😅興奮し過ぎておじさん構文になってしまいました。
だから、「夢は急がされている」なんよ……そりゃ誰だってゆっくりと夢を見てたいはずなんだ。だけど星は帰っちゃうの。几帳面だからよォ。永遠と現実をこうも美しく歌で表せるものなのかと、本当に惚れ惚れする。


私、最近セカセカし過ぎだと思う。まあやる事が多いのはいいことなんだけど。伊勢丹に行った時におばあちゃんとかおば様の歩く速度の遅さにイライラしてしまった。本当に良くない。デパートにはデパートの制限速度というか、適正速度があるのに。デパートの感覚でいったら暴走族並のスピードで歩いてる人に、デパートで売ってるものの良さなんて分かるわけないじゃんね。
もっとゆったり、星が帰っちゃうな…とぼんやり夜空を見上げる日があってもいいと思うんだ。
秋の夜長は夜更かしする理由が世界から与えられてるからいいよね。月と星の移動を楽しみながら本でもちまちま読みたいな。

結局言いたいことは、永遠に井上陽水を愛しますということ。これから井上陽水がトンチキ歌を発表したとしても愛します。

ちな、「帰れない二人」のアンサーソングとして吉澤嘉代子さんは「残ってる」を作ったらしいよ。「残ってる」も好き!

私の井上陽水についての見解は他のnoteでも書いているのでお時間ある方は是非覗いて見てください。
余談だけど、タイトルの所の画像のために「井上陽水 高画質 画像」で検索したんだけど、こんな検索する人いる?と思って自分でウケた。そして高画質な井上陽水でてきてさらにウケた。



おわり


ティソ

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