
これがルックバックの感想を言わないと死ぬ病気か【by大川ぶくぶ先生】
人気作ほど読みたくなくなる天邪鬼、ただの素人です。
周りに人気なほど読みたくなくなって、でもずっと気になってるから、周りの熱が治った頃になって読み始めてうおおおー!すげー!ってなるこの感じ、本当になんなんでしょうね。
藤本タツキ先生のルックバック、とうとう手をつけてしまいました。(遅い)
ジャンプ+で一話だけ読んで、泣いて、お風呂に入りながら買おうかどうしようか1時間半長風呂した結果、のぼせるころにKindleで購入してました。素直に生きたいものです。世間は6月に公開された映画版で盛り上がっていたというのに。ちなみに人気なため追加上映されてるそうです。すごい。
好きになると、考察記事やコメントなどを漁りたくなるオタクらしく、著名人の方のルックバック感想で良いなぁと思ったところをまとめてみました。
ちなみにタイトルは大好きな大川ぶくぶ先生のXから引用させていただいてます。漫画家さんたちもルックバック発売当初、Xで感想合戦してて楽しかった!
漫画を読んだピース又吉さんの感想より
圧倒的な実力者と全然ダメな自分が、0と1だったら悔しくないはず。ルックバックに関しては最初に負けた時の藤野のレベルが7、京本が9〜10くらいで表してる。だから悔しいんだ。(中略)敗者の描き分けがリアルになってるから面白い。
私はあのシーンを共感性羞恥だー!と終わらせていたのですが、ところでなんで恥ずかしくて悔しいのか、それが又吉さんのコメントでより具体化されました。そうなんだよ!自信あったことで負けるのってプライドずたずたになって恥ずかしいんだよね。
なろう系小説の台頭で俺TSUEEEな主人公が増えてきましたが、そんな主人公の負けなしストーリー展開って最初は爽快かもしれないけれど、同じ展開(強いから勝つのわかってる)が続くせいで楽しみが感じられなくなるものが多いです。
何かしら負けたり、苦しんでいる姿が描かれると、読者はいつかの自分にその姿を重ねて感情移入する。それが人間らしさに通じる。
天才なキャラクターがちょっと弱みを見せると絶大な人気がどっかーん!と湧いちゃうのもそれが理由かもしれない。
映画を見た末次由紀先生の感想より
孤独が少女を助ける。2人の物語のように見せながら、1人孤独に歩んでいくための祈りを得る物語だ
漫画家の末次さんは、小四から小六までの2年間ずっと机で描き続けた藤野の姿が映画「ルックバック」の中で一番大きな出来事だと感じたそうです。
私はそのシーンを漫画で読んだ時、セリフがなく背中のカットだけで旬か春闘をすぎていくシーンに並々ならぬ熱意を感じたから孤独?と思った。で、読み返してみると机に向かい続けた藤野の頭の中はきっと熱意と決意とあつい何かで埋め尽くされているかもしれないけれど、そのシーンは一人称ではなく三人称視点。外から見た藤野は孤独だったんだよね。
たまに絵を描くただの素人はうっかり藤野になった気分で読んでいただけだった。そして、思い出す。最後まで書ききれなかったなり損ないの絵を見て、時間無駄にしたなって感じる喪失感。孤独のなかを歩みきれなかった凡人の末路だよなぁ。ただの素人ですら、そんな寂しさを感じるのだから、頑張りつづけた藤野は、天才な京本がずっと自分の先を行く姿を見て、周りの人の態度を見てより孤独を感じたかもしれない。
漫画家にできないことはないんじゃない?って感じるくらい、すごく大変な仕事だと思う。ストーリーを考えることがまず大変なのに、キャラクターデザインから絵も描いて、カラーで描いて、編集や周りの人と打ち合わせして、取材に調べ物をして、週刊連載なら毎週期限に間に合うようにタイムスケジュールを考えないといけなくて、……。
最近の漫画家さんは、腰痛にならないよう立ったまま描いている方も多い。中にはその立った状態で三日間徹夜って正気ですか。正気じゃないね、正気だったらやってられないよね。職人の世界の凄さって、そういうところなんだろうなと思う。
で、青春を描くってずるいよね。
青春というとキタニタツヤの「青のすみか」を思い出しちゃって、漫画を読んでいると勝手に脳内BGMがそれになるからたまったもんじゃない。泣かせる気か!っていうかもう泣いてるよ!
映画見たら脳内BGMは変わって、また感想書かないと死ぬ病が発症する気がします…。