眠れぬ夜の昔話 其の三
運送屋の夜勤バイト
月島あたりの制作会社が潰れて、僕は路頭に迷うような状態だった。
社会人をしてた時の貯金は、その後の学生生活で使い潰していたので、早急に生活費を稼がないと、食っていけないどころか部屋を追い出されることになる。
幸い、来年からルームシェアを考えていた後輩たち(新聞奨学生として同じ新聞販売店で暮らしていた)からのカンパをあって、一月分の家賃はなんとかなったので、とりあえずコンビニの夜勤でもできればと、武蔵新城駅周辺のコンビニを片っ端から回ってバイトの口を探していたが、なかなか空きがなくて断念。
他にも色々探してみた中で、とある派遣会社の仕事で某美脚マークの運送会社の夜勤のバイト(集荷した荷物や到着した荷物の仕分け)にありつくことができ、とりあえず生活費の当てが確保できた。
そのバイトの傍、昼間に出力センターの近くで、出入りする客に自作の名刺を渡して仕事をもらおうと頑張ったが誰にも相手にされず、無駄に消耗する日々を過ごしていた。
そんな不遇を慰めるために、誰にも読まれることのないフリーペーパーを作りながら、再びDTPを仕事にできるようになる日を夢見ながら、夜中は運送屋の建屋の中で荷物をぶん投げる日々が続く中、そろそろ真面目にデザイン会社に再就職したいと転職活動をする中で、夜勤長から「お前、社員にならんか?」と言われた。
生活費及び諸々消耗品の費用を稼ぐために、真面目に出勤していたら、そういう目で見られていたらしい。
悩んだ挙句、色々考えて、「社員になればもっといいMacが買えるかも」も社員になることを承諾したが、諸々のプレッシャーで精神的にやられてしまい、速達で退職届を送ることになるのは、それから一年くらい後の話……。
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