ヒトは、ここまで変われるよ!・・・という実例

■1年目:動きナシ
■2年目:定期的に振返り投稿(デキた/デキなかった)
■3年目:定期的に振返り投稿(その時、何を考えたか・なぜデキたのか・どうすればデキるのか)
■4年目:仲間のコメントにお礼
■5年目:他事業所他部門の仲間にコメント(仲間に影響を与えるリーダーへ) ⇦⇦⇦ 今

■1年目:動きナシ

各自に「ステップアップのために日々職場で意識して実行することを設定して!」ってお願いして、2週間すなわち月中と月末の2回「どんな様子?」ってオープンクエスチョン投げて返信してもらう、電話でなくチャットなので自分のタイミングで短文でOK、そういうon-lineコーチングをしています。

「1年目:動きナシ」とは、まったくNOリアクション、振返りチャットの投稿ゼロ、1年間ゼロ!、そういうことです。

このクライアント企業は九州・中国地方・関西・中部・関東と5か所に事業所があって、約70人の管理者候補(⇦コーチング対象)と約30人の彼らの上司(トップ含む)延べ100名が参加してしています。

自分が設定した「職場で実行するコト」も、2週間ごとの振返りも、自分以外の約100名の眼に触れます。
コメントも、私は当然全員にしますが、相互に自由にコメントしてもOKにしています。むしろ推奨しています。しかし、上司は基本👍とか「その調子!」とかのショート&ポジティブリアクションだけとお願いしています。

ここで紹介する「ここまで変わったヒト」は中国地方の事業所の資材保管部所属の30代後半男性Mさんです。一見好青年ですが、比較的物静かなイケイケとは程遠いタイプかな。。。

まぁ、上記のような内容なので、Mさんに限らずチャット記入&送信し難いのは判りますね。社内研修の一環なので、仕方なくやってる人がマジョリティーだと思うけど、MさんのようにNoリアクションは各事業所数人ずつはいます。

しかし、この会社の凄いトコロは(というか、トップがエライ!)、
1年間NOリアクションでも外さず強制しないで継続観察するという私の提案を受け入れてくれたコトです。
故に、ヒトが変わる過程を多くの社員が見れたワケですね。これは、世界的にもあまり例がないんじゃないかな。。。


■2年目:定期的に振返り投稿(デキた/デキなかった)

2年目のある日、突然、Mさんは振返りを投稿してくれました。
もちろん私は「ありがとう!うれしい!待ってた!」とリアクションしたうえでコーチングコメントを送信したけど、この会社の凄いところは(私にとってラッキーなこと)、各事業所に真面目でノリノリな人が3~5人ずついること!その人たちもMさんの振返りに👍とかショートコメントをしてくれたことです。

それにしてもMさんの場合は元々内在するパワーがあったのか、その後コンスタントに月2回振返りを投稿できるようになりました。自分で決めた事がデキた/デキなかったという振返りというより報告に近い内容でしたが・・・

でも、つくづく思いますね、ヒトにはそのヒトの"タイミング"があって、上司や会社や、まして講師やコーチの都合どおりにはイカないって。

■3年目:定期的に振返り投稿(その時、何を考えたか・なぜデキたのか・どうすればデキるのか)

「デキた/デキなかった」くらいの報告、誰にでもできるやろ!
そういう声も聞こえてきそうですが、トップ含めて100名くらいの仲間の眼に晒されるわけです。そう簡単でないです。
が、見せないモノは支えようもないし手助けもできないと。我社は寄って集って貴方の成長を、あなたの職場での充実を支えたいんだと、従い「教えてあげる」とか「指導する」とかお節介めいたリアクションは極力しないと約束してます。

で、私は、Mさんの「デキた/デキなかった 報告」に対して、
「その時、どう感じた? なんでデキたの? デキなかったこと、どうすればデキそう?」ってリアクションしました。

Mさんは、その都度、「~~と感じました。デキた理由は~~です。今後~~してヤッっていきます」って答えてました。が、、、
3年目の半ば以降は、そんなやり取り不要になりました。即ち、月二回の報告が、月二回の振返りに、月二回の内省に、月二回のセルフコーチングになってきました!

このあたりから、Mさんの投稿内容に感化される人が出てきます。Mさんに「ありがとう!参考になりました。」ってコメントする他事業所のメンバーが増えてきます。
そして、Mさんのように内省して自分で自分の職場行動を修正しようとするメンバーが増えてきます。

■4年目:仲間のコメントにお礼

シャイなMさんも、仲間からのコメントにお礼するように返信しはじめました。
最初は、他事業所の仲間からのコメントに戸惑っていたはずです。

この会社は700名規模ですが、もともと各事業所が別会社で別採用だったこともあり、事業所間の異動も極めて希で、出張時も「はじめまして、私○○事業所で△△部に所属してます~」なんて挨拶する間柄です。
なので、コメントされることにも、ましてコメントすることにも慣れてなく、コメントに対して御礼するのが精いっぱいなんです。

なので、この変化は大きく、トップ層に少なからず驚きを提供できました。
まして4年目とは去年2020年、コロナ禍の最中です。出張は勿論、可能な限り在宅勤務で、社員間の交流が止まったように見えた時期です。始めた当初はカケラもコロナ禍なんて想定してませんでいたが、逆に社員間の交流が活性化したワケです!

■5年目:他事業所他部門の仲間にコメント(仲間に影響を与えるリーダーへ)

今年に入ってMさんは、もらったコメントに対するリアクションでなく、
「はじめまして!○○事業所で△△部のMと申します。振返り読ませていただきました。私の職場でも・・・」とコメントをしてくれるようになりました!

これで、彼が、職場で部下を持っても、必要なタイミングで必要な内容の会話をしてくれることは間違いないね!
今年1年、彼のコメント内容を見て、来年にでも職場を任せていいよね!

そうトップがMさんを話題にしていることはご想像の通りです。

■まとめ

※定期的に、自分の言動を内省&修正できる
※他者に、効果的にコメントできる

上記のような人材を増やす目的で始めたプログラムですが、
やってて思うのは「時間はかかる」「所要時間は、ヒトそれぞれ」ってことです。
10~20%は、最初から意図した期待したアクションができる。10~20%はできない。他60%強は変わるが、早い人で3ヶ月、多くは12~18か月、中には3年以上時間を要する。。。ってことですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?