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「無意識」という概念について
経営者とエンジニアの属性をもつ私が、精神分析を独学で学ぶ中で難解だった言葉や概念を書いていきます。
「無意識」。これはもう、説明がいらないくらい多くの人に知られている概念だ。近代において「無意識」を発見したのは精神分析の祖フロイトとされているので、精神分析用語と言ってもいいだろう。しかしながら、精神分析における「無意識」を理解している人は少ないのではないだろうか。私も勘違いしていた。
フロイトは、心のモデルとして「意識」「前意識」「無意識」を設定した。これは局所論と呼ばれ、空間的な比喩になっている。意識は、まさにいま私たちが思考している場所で、前意識は今は意識されていないが、思い出せば認識できる場所である。そして無意識は、意志をもって辿り着けない場所である。おそらく、多くの人が考えている「無意識」はほとんど「前意識」に近いのではないかと思う。なぜなら意識できないから「無意識」なので、私たちは一生そこを認識できない。認識できたらそれは「前意識」なのである。
フロイトは著書「夢判断」の中で、自分の夢を分析して自分自身を深く知ろうとした。夢は意志で見ることができないので「無意識」の宝庫だ。その生々しさは、大変面白いが、フロイトが嫌われる所以でもある。ドロドロした話が多いし、すぐに性的な解釈になったりする。
「無意識」の働きを「意識」「前意識」から分析して予想して、まるで「前意識」のように感じることはできるかもしれない。しかしながら、その中身は意志では辿り着けないのである。
自分の中に、そういう場所があって、それを追い求めようと足掻くところにフロイトの魅力があり、惹きつけられる。解釈が正しいとか間違っているは二の次だと思う。これを分からずにフロイトを読んでしまうと、思い込みの激しい(夢の中に出てくる長いものは全部ペニスである)頑固者のおっさんが書いた狂人の書に見えてしまうだろう。
無意識の定義は意識できない心の領域。意識できない自分の心が自分に影響を与えているという理解がないと精神分析は読みにくいと発見した。
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