50代で英検1級にストレート合格する方法
2023年10月に英検1級の1次2次試験にストレート合格しました。英検1級は56歳で初挑戦でした。本格的な試験の準備期間は6ヶ月で、1日4時間の勉強時間を確保しました。今回はその方法についてこちらでご紹介します。
なお、2024年から試験の内容は要約問題が加わりましたが、今回の内容はそれ以前の試験制度でのものとなります。
1)目的の明確化
私の英検1級の目的は定年後のキャリアとして英語に関するコーチングのビジネスを開始するために何かアピールするものが欲しかったというものです。
これまでTOEIC LRを中心に英語学習してきたものの点数が伸び悩んでいたところ、TOEIC LRの点数を伸ばすためには一度TOEICから離れろというアドバイスを受けたため、英検1級の受験もよいのではと感じました。
ご承知の通り難易度の高い試験なので最初に何のために英検1級を受験するのかという目的を明確にしておく事は重要です。勉強期間中には何度も心が折れそうになりましたが、当初の目的を思い出して勉強を継続してきました。苦しい時は途中で立ち止まってもよいと思います。継続さえしていれば必ず成長、発展を感じる時がくると思います。
2)戦略の策定
私の戦略の策定は次の通りです。
あるべき姿 = 英検1級の1次試験の合格基準の70%の正答率の確保
現状分析 = まず直近の過去問を解いた時の点数(正答率)の把握
差異把握
問1 単語 正答率20%
(ほぼ全部わからないが勘で5問正解)
問2,3 リーディング 正答率 30%程度
問4 ライティング 日本語で解答するとしても
書けないレベルと痛感
リスニング 正答率 30%程度
1次試験合格基準は約70%の正答率とのことだったので、まずこの現状分析と差異把握の段階でかなり凹みました。通常はこのような現状からその時点で英検1級受験を諦める方も多いのではないでしょうか。しかし、戦略をしっかりとたて、やるべきことをきちんとやれば合格につながると思います。
諦めの悪い私は、この時点で英単語とライティングの対策を優先することを検討しました。これまでTOEIC LR中心の英語学習であったため、英検1級の英単語とライティングはこれまでの学習がほぼ通用しないことがわかりました。この2つの柱をしっかり立てることが合格につながるという感覚がありました。そのため、具体的には英単語では25問中20問の正答率(80%)、リーディングとリスニングは60%程度、あとはライティングで80%くらいまで伸ばせるかということを考えながらTODOの作成を開始しました。
3)TODOの作成
(それぞれの詳細は別の記事で後日お伝えしたいと思います。)
・英単語対策
スキマ時間の有効活用とスマホアプリの活用
テキスト 旺文社 出る順パス単(5訂判)
スマホアプリはAnki mikan 英検1級でた単
英単語は出る順パス単をまず1回終えることが重要です。そしてこの書籍に出る単語はほぼ90%以上はできる状態が望ましいと思います。別途お話ししますが、実はこの書籍を90%程度わかるようになっても英検1級のパート1は20問以上(80%)以上の正答率に達するのは厳しいと思います。ここで2つ目の壁が待っています。でもここで諦めないことが実は重要なのです。
・ライティング対策
外部のスクールの10回コースに参加して基礎を学びました。その後、オンライン英会話で英検1級の英作文に対応頂ける講師のレッスンをたくさん受講しました。
テキスト
ジャパンタイムズ「英検1級最短合格 英作文問題完全制覇」 ask「英検1級ライティング大特訓」
本試験は鉛筆やシャーペンで解答を作成します。これまで会社のPCで英文をタイプしていた自分にとっては最初は非常に苦痛でした。基本的な英単語もスペルをミスらずに書くということが壁でした。また、ライティングの設問自体も日本語で解答することすら困難な内容ばかりです。しかし、何度も言いますが、ここで諦めないことが実は大切なのです。
・リーディングとリスニング対策
ひたすら過去問の対策を行いました。
テキスト 旺文社「英検1級過去6回問題集」2021年、2023年版
・スピーキング(2次試験)対策
オンライン英会話を中心に2分間で与えられたテーマを解答する練習を繰り返し行いました。
4)スケジュール作成
・まずは1日の中で4時間を優先的に確保すると意思決定しました。
主な時間配分は次の通り。
4:30起床
5:00-6:30(1.5hr) 英単語 リスニング対策
12:30-13:00(0.5hr)英単語
19:00-21:00(2hr) リーディング、ライティング
・スピーキングは別の回にお伝えしますが1次試験対策中も最低30分はオンライン英会話を続けていました。
・ライティング 土日に集中して1日に2本程度の英作文を行い、オンライン英会話の講師の添削を受けました。
・スキマ時間があれば常に英単語を行なっていました。1日4時間を超える学習時間を確保するにはスキマ時間に英単語学習を行うことが効果的です。
5)本番想定
・1次試験1ヶ月前から本番を想定した過去問対策を行いました。試験時間内でどの問題に何分を配分するか、どの順番で解答するのがよいかを検討しました。
・解答の順番と時間配分は次の通りにすることを決めました。リスニングは受験者全員が同じ35分の時間内で解答するので、それまでの100分の使い方がポイントになります。
問1 英単語 15分、ライティング 30分、 リーディング55分、リスニング準備10分
・この配分で何度も訓練を行ったので本番でもほぼこの時間配分と順番で解答することができました。
6)1次試験の自己採点から2次試験の準備
・1次試験の正答が試験の次の日に公式ホームページに掲載されましたので、早速自己採点して見ました。
・パート1の英単語は18問正解で約7割の正答率でした。パート2,3のリーデイングは5割半ば、リスニングの正答率は6割、これらを合計すると約65%となり合格基準の70%を下回っている状況でした。ライティングの結果次第でまだ合否はわかりませんが、とりあえず2次試験のスピーキングの練習を始めました。試験までは約1ヶ月の準備期間となりました。
・1次試験の結果、ライティングが28/32点と87%の正答率となり無事に合格しておりました。よって残りは2次試験対策に集中するようにしました。
・結果的には最初に立てた戦略が正しかったこと、またTODOをスケジュール通りにひたすら行うことによってギリギリで1次試験を突破することができたと思いました。
7)試験本番の様子(1次、2次)
・1次試験の会場で驚いた事は受験者の年齢幅が大きいという事です。これまでTOEIC LRの受験がメインだったので20-40代の方が中心のイメージでしたが、英検1級は下は小中学生から上は60-70代の方もいらっしゃるというイメージでした。私が受験した学校の教室では30名程度が受験されていましたが、ほぼ私よりも皆様の方が年上ではないかという雰囲気でした。
・2次試験の会場では1次試験の雰囲気とは異なり30-40代の方が中心だったと思います。皆私よりも年下ではないかという感じでした。ご存知の通り
2次試験は与えられた課題5つの中から1つを選択し、1分以内で考えをまとめて2分でスピーチする短時間の試験ですが、感覚的には会場へ行ってから自分の番を待つまで半日ががりの試験だったような気がします。
・2次試験本番ではスピーキングで2分以内に解答を終える事はできませんでしたが選択した課題に対して2つの結論をきちんと話すことができました。またその後の外国人・日本人の面接官との設問対応で円滑な会話を行うことができました。後日送付されてきた合格通知では35/40点でC1の評価、総合でもC1の評価で無事に合格することができました。
8)まとめ
・ポイント1つ目は、最初に目的を明確にして、それを達成することを何よりも優先することです。何度も心を折られたり諦めたくなる事はありますが、最後まで継続すれば道は開かれると思います。
・2つ目は、戦略とTODO、スケジュールを立てて、それをやり抜くことです。目標とする合格点にどのように最短で到達すべきか、そのために何を強化して何をしないかなど優先順位、メリハリをつける事だと思います。
・今後も定年後のネクストキャリアに向けて挑戦を続けたいと思います。
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