運命のモチーフ
ベートーヴェン交響曲第5番運命では
タタタターン!という符割りが全楽章を通して支配していて
運命のモチーフと呼ばれとても有名です。
特に第1楽章のド頭に関しては特に有名です。
とはいえタタタターン!という符割り自体は決して珍しいものではなく
トランペットのファンファーレではたいていこの符割りです。
メンデルスゾーンの結婚行進曲もそうですよね。特に運命感は感じません。
だからコレを使っているからと言ってベートーヴェンの影響を受けた楽曲
と言ってしまうのには少し汎用性が高過ぎる符割りだと思います。
そこでマーラー交響曲第5番です。
9月に演奏予定で練習に取り組んでいるのですが
この曲も第1楽章のド頭からタタタターン!のファンファーレです。
エンディングまで何度もこの符割りがでてきます。
とはいえコレぐらいはよくある事だと思いスルーしていました。
ところがです。第2楽章でスルー出来ない状況に気が付きました。
私は1stヴァイオリンパートなので譜読みをしている段階では
全く気が付かなかったのですが
合奏で1stヴァイオリン無しで他の楽器だけ取り出して
演奏した時に事態に気が付きました。
80小節辺りから運命のモチーフが各楽器でリレーされだします。
1stヴァイオリンはそのバトンが渡されることがなく
延々目立つメロディを弾いているので意外に気が付けなかったんですが
メロディー楽器を完全に除外して聴くと
このバトンリレーが、まんま運命のモチーフ。というより
運命第1楽章と同じにしか聴こえない音列まで使ってリレーされるんです。
もうコレは汎用性の高い符割りだからマーラーも使っています。
では済まされない。明らかに運命から使いましたという
強いメッセージすら感じます。こういう発見も楽しいですね。