ベートーヴェン交響曲第3番英雄 #この曲弾けてよかったシリーズ
さて第3弾はベートーヴェン交響曲第3番英雄
ベートーヴェンを出してしまうと
弾けてよかった曲だらけになってしまいますが
7番以外を全部弾いた経験上、英雄だけは私の特別な曲なのです。
この曲は2ndヴァイオリンとヴィオラで弾いたことが有るのですが
私にとってヴィオラでの交響曲デビュー曲だったという事で
とても思い出に残る曲となりました。
そしてこの曲はヴィオラの魅力に満ちている曲なのです。
この曲でヴィオラデビューできて本当に良かったと思っています。
第1楽章は英雄というタイトルに相応しくスケールが大きく勇ましい
主題が印象的ですが、この主題は第2~4楽章でも
さりげなく織り込まれていて、この塩梅が絶妙なのです。
第2楽章は葬送曲という事でとても重く歩みを進めます。
英雄の死をイメージさせます。
第3楽章はハイスピードの3拍子のスケルツォとなっていますが
2拍子を感じさせるヘミオラという手法が使われていて
リズム的にトリッキーです。入りそこね要注意なのです。
第4楽章は集大成感のあるスケールの大きい楽章です。
激しいオープニングの前奏部からはピッチカートの
非常にカワイイフレーズに繋がるのですが
少しずつ変奏されていき音が積み上がっていって
オーボエのノスタルジックなメロディーに合流します。
その後カワイかったフレーズのモチーフが
スリリングな掛け合いのフーガと変化します。ここ見事です。
2回目のフーガの後にオーボエによる主題がソロで吹かれるのですが
ココは涙腺崩壊モノです。ここから1~4楽章全てのドラマが回想されます。
ホントにドラマティックな作曲ですよね。
ラストは畳み掛けるようにクライマックスへ一直線です。
ホントに隙の無い曲で凄いのです。
この曲は是非ヴィオラで弾いて欲しい曲ですね。