見出し画像

オルガンという楽器の話

先月にサン=サーンス交響曲第3番オルガン付き
先週にメンデルスゾーン交響曲第2番讃歌
来月にまたサン=サーンス交響曲第3番オルガン付き
と3ヶ月連続でオルガン曲を演るという珍しい機会が周ってきました。
以前にオルガンという楽器は倍音をレバー操作で
倍音を追加していくことが出来るという話を書きました。

しかし足していく倍音がオクターブ上、2オクターブ上
という同じ階名の音、いわゆる偶数倍音だけではなく
1オクターブ上の完全5度、2オクターブ上の長3度
という、弾き続けていたらハモらずぶつかる音も足されているという事が
ぱっと聴いた感じでは感覚的に理解できないのです。
たしかによく聴くと単音メロディーを弾いている中で
ぶつかる場所が出てくるので完全5度、長3度の音が
混ざっているのでしょう。それはわかります。
でも不思議とオルガンの音色を不快に感じる人はあまり居ないですよね?

よく時報を知らせる鐘の音でメロディを鳴らす設備が
役所やショッピングセンターに有りますが
あれは明らかに不快に感じるレベルで音がぶつかっています。
鐘はオルガンよりも奇数倍音や非整数倍音が多いのでしょうね。

音はフルートのように純粋な混じり気の無い音も美しいですが
適度に不純物を混ぜていく事で音色に豊かさを出す事が出来
ある一定値を超えると不快な音に変わってくるんですね。
絵の具をパレットで複数混ぜて新しい色を作っていく工程に似ていますね。

いいなと思ったら応援しよう!