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退任のご挨拶
こんにちは。
和紙職人見習いの舛田です。
本日は最後のご挨拶を。
私舛田は、2024年8月末をもって伊豆市地域おこし協力隊を卒業いたします。3年の任期満了です。
2021年の9月、まだ新型コロナウイルスが世間を賑わせていたころ。右も左も分からない状態でこの伊豆市にやってきて、修善寺にある紙谷和紙工房を研修先とし、「修善寺紙を継承する」というミッションのもと3年間活動に取り組んできました。
和紙に関しては本当にど素人で何もわからない状態からのスタートでしたが、なんとか3年間をやりぬき今の状態があります。
最後なので簡単に3年間やってきたことの振り返りをしたいなと思います。(簡単と言いながらいつも通り長いですが、協力隊最後なので許してね。)
3年のうちの前半は思い切って全てを「準備」に振り切った1年半でした。
自身の紙漉きの技術を磨くべく修善寺の師匠にひたすら習ったり、足りないところは和紙の有名産地に出向いて修行をさせてもらったり、紙漉き漬けの毎日でした。
また誰がきても恥ずかしくない工房を目指して、工房内外を整備。クラウドファンディングでご支援をいただきながら駐車場も新設しました。
同時に和紙の原料であるミツマタやトロロアオイの栽培を開始。地元の方に土地をお借りしながら、こちらも岡山や茨城にいる専門の農家さんのところへ行ってノウハウを学び、今後の地固めを。
さらに当面の稼ぎ頭になるであろう和紙体験の構築や和紙を使った製品の開発にも取り組みました。
そして後半の1年半はどうやって和紙で経済活動を成立させるかの挑戦を。
前半戦で構築した和紙漉き体験を本格的に始動。パンフレットを作成して、修善寺温泉の店舗様、旅館様に置いてもらい誘客を開始しました。
また製品を売るために月1ペースでマルシェに参加。お客様の反応を見ながら、和紙を売る難しさを感じたり新たな製品の開発をしたりしました。
更に3年を通してですが、なるべく多くの情報を発信するように努めてきました。1番大きな目的は地元の皆様に自分を知ってもらうこと。何処の馬の骨かもわからない自分を受け入れてもらうため、地域おこし協力隊として、日頃何をやっているのかを知ってもらいたいという思いで続けてきました。後半はビジネス的な要素が強い発信になってきたので、協力隊のアカウントではなく自身のアカウントで行ってきましたが、こういった発信の成果もあってか地域内外から紙の発注やコラボ製品の開発依頼をいただくようになり、製品化も実現しました。
そして現在は、紙谷和紙工房を拠点として紙の製造販売、体験の実施をしつつ、新たに修善寺温泉内に店舗「SHUZENJI WASHI LABORATORY」を構え、より多くの人に修善寺紙のことを伝えられるよう、ミュージアム、お土産売り場、簡単なワークショップ場を整備し運営しています。
このようにこの3年間で、和紙を事業に生きていくためのベースを、物理的にも、経済的にも、精神的にも作ることができました。
今後もこの3年で作ったベースをもとに伊豆市修善寺に拠点を置き、修善寺紙を継承していくべく活動をしていきます。
3年前、地域おこし協力隊としてこの活動をスタートしたとき、正直3年というリミットの中で独立できるかどうか自分でもわからなかったし、周りからの反対もあったし、少なからず不安もありましたが、それでも自分の信じることをやり続けるしかないと思ってひたすらに前を向いて走り抜け、今の状況を作ることができました。
このように走り抜けることができたのは、
受け入れてくださった修善寺紙を再現する会の皆様、協力や応援をしてくださった地域の皆様、サポートいただいた市役所の皆様、惜しみなく技術を教えていただいた各地の師匠方、修善寺紙を見つけてくださった事業者の皆様、支えてくれた家族、その他私に関わる全ての方の力があってこそだと心から思っています。
本当にありがとうございました。
一区切りってことで長々しんみりと書いちゃいましたが、これはゴールではなくてスタートです。
次は修善寺紙をより長く未来へつなぐための挑戦が始まります。そのためには事業をより安定した状態にしなければいけないし、将来的には一緒に事業を進めていく仲間の募集や後継者の育成も必要になってきます。やることや課題がたくさんです!
伊豆市地域おこし協力隊からは卒業となりますが、引き続き伊豆市修善寺の誇れる伝統「修善寺紙」を未来に繋げるよう、また伊豆市地域おこし協力隊OBとしてその名に恥じぬよう、頑張っていきます。
これからもよろしくお願いします!
最後に改めて、3年間ありがとうございました!
舛田拓人
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