ガンジャ先生。7-7
音楽の渦 〜フルムーンパーティ〜
みんなで大きなゲートへと潜る。
僕らはさっき購入したリストバンドを示す。
もうすでに会場は大盛り上がりだ。
この場には。白人しかいない。
Alan Walker - The Spectre
「よし到着。行くぞみんな♪」
入口より入るとそこは異世界だった。
目が見張る様な原色系の水着、金髪、ファッションが入り乱れている。
「ガンジャ先生。。怖いよぅ。。」
「大丈夫。基本踊るの楽しみに来たんだ。年齢もそこまで変わらないぞ?遠くからご苦労なこった」
「へ?だって。。外人さん大きいよ?」
「あっちはオージーだな。高校生くらいだろ」
「ん?あっちはジャーマン。国旗持ってるのがスゥエーデンだな」
どこに見分けがあるんだろう?
背はみんな高く、少し離れた路地では酔っ払って座りこんでる。。怖いよぅ。
あ、あっちは女の子の団体だ。可愛いいな。ベティちゃんみたい。
イカツイハーレー隊みたいなのもいる。。
ぐてんぐてんだ、、吐いてる。。きゃーキスしてる!大人の人もチラホラ見るし。
なんだここwカオスだ。
聞こえる会話も英語のフレーズだけではない。
ジャーマン、スパニッシュ、イタリアーノがまぎれてる。
場違い。正直な私の印象だ。サイズが違い過ぎる。
だって未亜148cmしかないもん。。
でも匠くんとかタツヤは目をキラキラさせてた?
「少し準備していくか〜ペイントな♪」
露店でペイントペンキやマジック、筆を貸している。もちろん有料だけど、先生が好きに使えと言ってくれる。
「ちょっと、タツヤ後ろ向いて!動かないでよ!」
「ヘイヘイ。カッコよく決めてね〜てかくちゅぐったい(笑)」
「未亜ちゃん顔♪任せて♪」
「うう。。可愛くしてね。。」
歩&茜が何か目覚めて書きまくって。
余分な道具はすでに水着以外は脱いで、プイ先生がロッカー入れてくれてる。
蛍光塗料で私は目の下になんか点と模様、そしてアイラインはファッションピンクになっちゃった。
「ブハハハ!ウケるんですけどー見て匠♪」
「ブハハハ!タツヤかっけーマジか♪やばいねハマる。。くくくッ。。茜写真撮ってww」
みんなタツヤの背中に目が行く。
みどりの蛍光塗料で。。縦に「夏男」ぷ。。ぷぷ。。ウケるw
「ちょっとー見えんのんですけど〜も〜アユムたん〜何て書いたん?」
久しぶりにめっちゃ笑った(笑)
匠も目の下に3本線。首に日の丸旗。靑をベースとしているみたい。反射すると映えるな〜
それを書いてる雪ちゃんはお腹にひまわりが書かれてる。顔は民族というか。。よく分かんない(笑)
歩と茜はお互いに左右対称の顔メイク。
姉妹の背中には「虎」「仔猫」。。どっちがどっちは想像に任せよう。
私は背中に目が☓のニコちゃんマーク。。うまく逃れて良かった。
ふぅ。何だかんだでみんな凄く派手に変わった。
けど、なんか他の外人と近づけた気がする。
他の外人も興味ありそうに漢字を見てるし!
ガンジャ先生は面倒だからいいと酒を買いにいった。
バケツの酒を買ってる。。あれ飲むの?w
プイさんは手と足大胆に線のオブジェクト。
また黄色のビキニがよく目立つ。肌の色うまく使ってるなぁ〜
※こんな感じデス。(^^)
「出来上がり〜みんなイイネー♪では行こうか♪」
「んじゃカンパイだな♪飲んだら回せ〜」
「う、お酒飲め(ング!)ないのに〜!」もーむりやり。。
甘いというか酒というか。。何だこれ。。
ちなみにバケツは子供の砂遊び用のだが、結構入ってる。氷もたくさん。茶色。。?
みんなしぶしぶストローで飲んでいく。
・・まるでなんかの儀式みたい(笑)
「まずっ!」
「甘いというか。。何これ!?」
「う。。悪酔いしそう」
「これ。。何入ってるんですか?」
「レッドブルとウォッカとウィスキー。オレンジとコーラもだな」
「「飲めるかー!!」」
そして私達は砂浜へといく。。
私は少しだけ。いい気分になってた。ラ〜♪
□□□
砂浜を一歩一歩と歩いていく。
近づくにつれて海岸からの音が響きだす。
3つはブースあるだろうか?多くの人がみんな。踊っている。
流石に前に行く勇気もないので僕はみんなについていく。
「この辺でいいか?まだスペースも開いてるし、ちょうど台もあるし♪」
海岸近い場所で、3段になっている朝礼の台は、白人女の子達が音楽を聞きながら踊っている。
丁度左のブースから音が伸びるのだろう。
スピーカーから遠からず、また人もそこまで。
曲も混じらずいい感じだ。
でも、どういう風に踊るのか。。同じ事考えてたみんなはボー然としていた。
そういえば踊ったことって、ない。
「仕方ナイ♪私がヒトハダぬぐカー♪」
プイさんがいきなり台の前に立つ。
丁度曲が変わるタイミングだ。
大声で台の白人さんに、
「Heyーfamiliar!! Are U ready? Let's Singing Dance time♪」
『Ohh Yeah! sister♪』
『haifooーーcome on Go!Thai girl!!』
手を大きく広げ、ゆっくりと体揺らしだす。
蛍光塗料の線が不意にブレる。
だんだんと動きは大きく、音に合わせリズムを取りだした。
そして引っ張る様な曲になると激しく踊りす。からだを鍛えているのか、引き締まった体からのダンスはとても美しい。
踊り台に乗っている白人もこれには大盛り上がりだ。腕の蛍光塗料の線が綺麗に反射している。
『Hello,hello.. can U hear me,as I scream your name..』
場が。一気に盛り上がった。いや。ぶっ飛んだ!
プイさんは踊りつつ、歩と茜を捕まえそのまま前に呼び一緒に踊りだす。
「大丈夫〜揺らしてリズムを感ジテ♪」
「ふぁぁああー凄いですー音が大きい!」
「茜、大丈夫♪かんたんだよーホレホレ♪」
1曲が終わる度にプイさんはみんな交互に連れていく。次は僕とタツヤだ。
「そうそう♪ウマイヨータクミ♪」
別に照れてるとかというのは人混みに入ればなくなった。踊らない方が逆に恥ずかしい。
目の前で踊る白人さんの動きを真似て。体を揺らす。
未亜と雪菜もきて、目があうと近くに来た。
踊りだしたらあとは自由だ。
「ウフフッ。楽しいーネ♪」
先生は。。台の上じゃん。。。
そして個性的な踊りだな。。古き良き昭和クラシカル。。まあ白人姉ちゃん達はウケてるが。w
未亜も何だかんだで台の上について乗っていく。
大丈夫。小さいけど一番化粧濃いから目立ってる!
さあ僕らのライブは開始だ!
David Guetta - Titanium ft. Sia
気がついたら夢中になって。人も混み合うほど増えてきてた。大きな渦が巻き込んでくる。
サンダルはもう台の下にけりあげて踊り続ける。
どこから持ってきたのか、ガンジャ先生は光のペンライトを上から照らし、その真ん中でプイさんが妖艶に踊っていた。ヤバいプイさん踊りウマイ。
茜も歩も近くで踊っているが小さくて見えない‥周りも当たるかどうかの人混み、汗が飛び散る。
曲のテンションも上がっていき。
慣れて来た頃知っている曲が流れた。
僕は隣にいた雪菜を連れ、その場のテンションに任せてお立ち台の3段目に駆けあがった。
周りが増えてきたので避難もあるけど、一度そこからの景色が見たかったんだ。台の上からは海岸全体が見渡せる。
「うわぁ。。凄いね。。」
砂浜ではいろいろなところに人が固まり凄いことになってる。300m先にもたくさんいる。ブース前から順に埋め尽くされていた。
うねるように踊る人間は。もう動物でしかなかった。音楽の渦がそこにあった。
台の上の白人の娘達と一体感を感じながら。
見よう見まねで僕も月を指差し。
お立ち台の上ではみんな熱唱を。
曲のサビでみんな歌い。。
花火が その時 上がった
「ドッドーーーーーーン☆」
みんな後ろ振り向き花火をみたその時。
僕も花火の方を向くが肩を抑えられ戻され。
振り向いたところで雪菜がキスをしてきた。
僕は驚いた。ほんの数秒だ。
花火が時間を止める。
僕と雪菜の唇も数秒だけ。止まっただけだ。
ただ汗ばんだ体が互いにちょっと触れ合い。
その時のキスはとても良かった。
ちょっとの間だけど。。
また曲が流れ何事もないように雪菜は踊っていく。
顔、真っ赤だけどね?ユッキー。
音が大きいから耳元に寄せて話す。
「ねえ、ユッキー?」
「ん、な、なに」
「大好きだよユッキー」
「・・私も。」
あ、逆隣のオージーさん(スーザン仮)が盛り上がっている。うっ。見られてたかな。。
言葉はわからないが、『きゃーきゃーkiss me♪マジ♪おめでとう』と雪菜とハグしてるし。。
よく見たらこの娘達も若いよね。
目がキラキラしてる。おっパイ大きいし背が高いけど。どこか着飾ってない普通の女の子なんだ。
それからちょくちょく踊りながら大声で雪菜と何か英語で会話しているみたいだった。
音楽は待ってくれない。さあ踊るか!
ノリのいいアップテンポの曲に変わり、足元の台が揺れ初めだした。
負けずにこちらも揺らし返しだんだんと息が合う。
あーなんだこの感じ。最高だな。
少しずつお腹にブーストが響く。
最高だ!
夜はまだ始まったばかり。天気と時期のせいか。
人はさらに増えた気がする。
深夜0時を回った頃出来事だ。
その花火の時、曲が"Sia - Titanium"だって知ったのは日本に帰ってから知った。
歌詞の内容を知ると。
女の子達がみんな歌っている理由が分かった。
月を指差しながら。星ごと吹き飛ばしていた!
女性は強い。"girl is all titanium"だ。
爆音の中、更に夜は続いていく。
音楽は止まらない。僕も渦に身を任す。