ガンジャ先生。7-5
犯人確保
あのバイクは間違えない。先生のだ!
僕はその先の海岸へと走りだす。
Sia - Cheap Thrills Ft Sean Paul
木々の裏。その木陰のテーブルに歩はいた。。が様子が違う。
「ブハハ!プイさんホントですか〜ウケる〜」
「ホント。めっちゃ毛深くって。。絡むと思ったワ♪ロシア人スゴイ」
。。。何か宴会してるような。酒臭いし。
「歩!やっと見つけた!」
「あ、匠〜やっぱり匠だ〜〜♪」
「マジか。。くそ負けた。」
「あのーみんなに電話していいですか。心配しているので。。んでなんで宴会してんの?」
その後すぐにみんなに電話をし、ホテルから西に離れた海岸に揃う。
「歩ちゃん!心配かけちゃダメ」
「ごめん〜茜」
雪菜も走ってきて。。
「バチン!」歩の頬を叩く。
「みんな心配してたんだからね!なんで何も言わず出ていくの!」
雪菜は汗だくで。それで必死に探してたんだろう。
目も少し涙くんでいた。
「・・ごめん。なさい。連絡しなくて」
「それで。先生。説明していただけますか?」
うっ。雪菜マジ怒りモードだ。
先生達はそそくさ逃げようとしてたのがバレ。。
「すまんな。雪菜。試させるような事をして。ただ俺が呼ぶのも違う気がしてな?」
「ではこのお酒は!?」
机をバンと叩く。怖い。
「ただ待っとくのも。。飲もっかなって‥」
「はぁ?それで。飲んでいたと?」
「「すみませんでした(タ)」」
先生。。まぁ雪菜のが筋が通っている。
情けない大人達はしゅんとして。。おいw
歩も流石に反省してる。少し落ち着いたかな。
すでに夕方5時を迎え。日が少し落ちていた。
「タツヤどこ?場所わかるか」
「匠ぃ〜広いよこの島。。フェリー乗り場のとこ。なんかホテルにもどらない。。」
「”BIG MAMA”についたら電話してって。マークに案内させるってさ」
「匠ータツヤマジバカ!知らない道も平気で入ってくし‥白人とも競り合って勝った♪とか言ってるし。。落ちるかと思った!もーヤダ!」
あっちはあっちで大変だ。
とりあえず。パンガン島の隠れんぼは終わった。
無事犯人確保。酒くさい前科つきだ。
□□□
すでに夕日がかかってくる。
みんな集合後、ホテルでシャワーなどを浴びて落ち着いた。確かにTシャツ1日何回か着替えないとやってけないな。ここ。今日何回目だ?
近くの中華(?)ではないがタイ料理シーフードという感じの店で早めの夕食を取る。
「みんなすまんかった。ちょっと遊んでいたのは申し訳ない。では予定通り今晩はフルムーンパーティーだ。少し休んで行こうか」
「何時から始まるのですか?」
「もう踊って騒いでいるだろうな。ただピークは深夜になるから。ちょっと休憩かねて寝るか」
モクモクとみんなは静かに料理を食べている。
正直みんな疲れていた。
エビの塩焼きはいい匂いを漂わせ、僕も少し頂いた。
歩がまだ少し酔ってるのかふわふわしてる。休憩は確かにしたほうがよさそうだ。
タツヤ達も、捜索の僕らも昼間3時間近くさまよって疲れている。無理はしないほうがいい。
10時頃にタクシー呼んだのでそれまでホテル待機の予定だ。再び食事が進む。
ちなみになぜか水着でくる様にと。なんで?まあ暑いからいいけど。。
「先生〜なんで水着なんです?雨も振らないでしょうに」
「いきゃわかるがみんな水着だぞ?まあ「郷に入れば郷に従え」だ。金とかもいらん。落とすだけだ」
そんなもんかな〜いまいちわからないが、まあ気にしない。
静かな料理も終わりホテルに戻った。
ベッドは簡易がひとつと大きなツイン。
先生はあっと言う間にイビキかいて寝た。。。しかもデカイスペースとりすぎ。はぁ。
「タツヤ〜俺簡易でいいや。おやすみ〜」
「ちょ、どこで寝んの?おれ。場所ないじゃん!」
いい感じで日焼けしてたタツヤはアタフタしてる。
俺も。。焼けたなぁ。クビイタイ。
思い出した様にアロエを塗り。面倒なんで水着のまま寝た。
あーまだタツヤが騒いでるな。。
歩見つかって良かったな。。
アロエはいい匂いだ。。。ぐぅ。
□□□
一方女子部屋では重い空気が。。
「アハ、あたし買い出し行ってクル〜みんないるものないカナ?」
「「ないです」」
そそくさと逃げるプイさん。空気読みが絶妙だ。
「歩ちゃん。みんな心配してたよ?」
「ごめん。。」
「今度はかならず連絡してね。詳しくは聞かないけど、歩はお姉ちゃんだからね?」
こういう時情けなくなる。
茜は優しい子だけど、私に対しては平等だ。
「タツヤくんすごい飛ばして。。こわかったんみゃー」
未亜はベッドでゴロゴロしだしだ。こりゃ寝るな。。
「ちょっと話しようか?アユム」
「う。うん。茜、先シャワー使っていいよ」
雪菜は怒っていないが、きちんと話さないと納得しないと思う。
二人で揃って部屋から出た。
ホテルには少し離れたとこにも通路があり。
プールがライトアップされて良かった。
「。。匠くん。と何か合ったんだよね?聞かないほうがいい?」
「ううん。雪ちゃんにはきちんと話すね」
それから匠と部屋で話したこと。バスでの一軒謝ったこと。
そして、匠の態度に怒って飛び出したこと。
先生がすぐ見つけてくれて、いろいろ話したこと。
「そっかー辛かったね歩ちゃん。。」
「うーうん。言ってスッキリした。だから匠が悪いとかでもないんだ。。いやちょっと悪いか(笑)」
「私。てっきり歩ちゃん匠くんと付き合ってるのかなーと思ってた」
「ナイナイ。でも似てるんだよね〜元カレと。。」
「そっか。切ないね。でもお酒はダメだぞ?」
「雪菜はどう思ってるの?匠の事。最近。。匠と夫婦みたいだよ?」
「えっ!わ、わたし!?」
顔が一気に赤くなる。。分かりやすいなこの娘‥
「えっと、どういうとこ。とかかな?直す。。」
「直さなくていいよ。雪ちゃんは雪ちゃんで、匠の心配してる感じ〜いつでもいるし♪」
「そ、そうなんだ。。うぅ。」
「匠はいいやつ過ぎるんだと思う。なんだかんだみんなに優しいし‥私にも。優しいよ‥?まあエロいけど」
「そう!すぐ胸とか見るよねー凝視(笑)分かりやすい」
「本人は気づいてないんだろうなーまあ男の子ってあんなもんだし」
「ねーたまに大人びて感じる時はカッコぃ。。あ、違う今の忘れて!w」
歩はニヤニヤしている。
「ほーそこんとこ聞こうじゃないか♪」
ワイワイ夜は更けていく。
気がついたら満月が見えていた。
プイさんがジュースを差し入れてくれ少し落ち着いて部屋に戻る。
部屋に戻ると、小さなベッドに茜と未亜が仲良く入って寝息を立てている。
茜にも心配させたんだよね。
ダメだな私。
しっかりしないと。
お布団をかけてあげ、少しお姉ちゃんをする。
彼女達に残された時間もう少ない。
旅行はクライマックスを迎えようとしていた。