ガンジャ先生。6-10
全員合格とその後
再び船は移動する。
島をぐるっと。所々に母屋があり、崖のそばにも家がある。
ああいう静かな所で。まったりもいいな。
Icona Pop All Night Remix
「では!講習は全部終了です!が、まだ1回泳げます♪行きますかみんな!」
「「おー!」」
「はいよくできました。海を楽しもう♪」
これは俗に言うファンダイブという奴らしい。
ダイビングの免許を取れば、好きな場所に潜れるという話だ。
一応インストラクターがついているけど、見たい所バディと共に行く。
「ねー先生も行こうよー」
「未亜ダメだ。。もう飲んでるもん♪」
「うははー楽シー♪」
ダメなプイ&ガンジャ先生。。
西田さんは凄く飲みたそう‥でも我慢してる。
仕事大事だね、うんうん。
「岩屋さん痩せたね♪そっちのほうが似合うよ♪」
「相変わらずビール腹だけどな。西田も結婚おめでとう♪わりーな行けないで」
「ありがとう♪みんないい子だよ?」
「何か親の気分がよーく分かった(笑)」
そんな会話が聞こえてきた。仲いいんだろう。ガンジャ先生は顔広いな。
「飛ぼうぜ♪匠〜」
「マジか」
「おーイケイケ〜♪2階からは気持ちいいぞ♪」
「・・船にボンベ当てんなよ。吹っ飛ぶぞ」
田辺さんのアドバイスがリアル過ぎる。。
ボンベを持って柵に座ると。マジか。
4mくらいあるぞオイ。
「タツヤ行きます〜♪」
ドッボーーーーン!
おお。。行くのか?これ!
「男見せてよ♪」
「無理なら。。下から行こ?」
「未亜は信じてます」
「はわわ~危ないよぅ〜」
こいつらどうでもいいんだろ。。
よし頭を向けて。。。あれ?ボンベの重さが。
クルッ!
ドッボーーーーン!!
1回転して落ちた僕は。そのまま下に向きケツから落ちた。マジケツが痛かった。。
海面から顔を上げると。
柵から4人がゲラゲラと凄く笑って。
その様子が可笑しくって♪僕も大笑いしてた。
□□□
最後のダイブは20mくらいの深さで、みんなで集まって移動した。
どこか障害競走のような岩があり。
たまにバディも変えて遊んだ。
茜は凄くキレイに細い道を通って行くし。歩は手を取って引っ張る。タツヤとジャンケンしたり。石を投げて拾ったり。未亜がイソギンチャクをイジってるときこちょこちょしたり。西田さんもケイさんも自由にさせてくれた。
ちなみに逆立ちを練習してると田辺さんが横に同じポーズしてくれた。
古畑さん達は上手で、手をつなぎくるくるしてくれたり。ペアで絡みあう泳ぎを見してくれた。
雪菜はいつもそばにいてくれて嬉しかった。
この時間は忘れられない。
みんなで海底写真を撮ったとき。タツヤが前に泳ぎ。それにつられるようにみんなで押し合い。
一斉にカメラマンに近づきアップで撮った。
凄く。スキューバダイビングをして。。
本当に良かった!
小さな魚の群れはどことなく社会に似ていて。
大きな魚の群れから隠れていく。
たまに迷った魚もいるけど。必死に隠れたり群れを探してる。
また群れに迎え入れていく。
その光景が僕にはズキンと感じだ。
僕は少し逸(はぐ)れたのだろうか?
□□□
船が戻る頃少し赤くなってた。海と空。雲と島。
無事にみんな卒業の写真を撮って。僕達はPADIのオープン・ウォーターの免許が家に送られるらしい。
ログブックと共にさっきの水中写真も贈られた。
みんな笑う中。
目を閉じてたおれ。でもいい。
みんな押し合いしてる思い出。
先生は僕と同じロッジに泊まる事になり。
食事前に一服してるとタツヤはいつも通り。吸うんかい。
「匠も吸うか?」
いいんかい。。でもこういう人だったし。タイだしいいかな。
「先生は。プイさんと付き合ってるんですか?仲いいし」
「んー付き合うっていうか仕事仲間か。なんもしてないぞ?」
「「嘘だー」」
「まぁいい女だがな。嫁の親友だったから手が出せん。よく家に泊まってたし慣れたわ」
気になって聞こうかと思ったけど、煙草を吸う。
こういうとき、いい間がとれる。
先生もすぅ~と煙草を吸い。遠い目で海を見てた。
「んで、匠はやったのか?歩?雪菜?はっ!茜か。。。」
「おいおっさん誰に聞いた」
「お前達いいよな。。高校の時おっぱいなんて2次元だったぞ?」
「だから。。。プイさんか。。はぁ。」
「柔らかいんだよー匠〜もうちょいだ!頑張れ♪」
「タツヤ黙っとけ。Tシャツ貸さねえぞ?脱いでよ?今すぐ脱いでよ!」
男同士ってこんな話ばかり。。
□□□
食事は相変わらずタイ料理!
大分分かってきた。飽きてきたかな。。と思いつつ食えば上手い。
「みんなお疲れ様。無事に免許取れて楽しめたみたいだな。明日からの予定を言う」
「明日の昼過ぎにフェリーがくる。それまでは自由時間だ。せっかくタオ島にきたから遊んでいいぞ。ただしこの周りだな。明日の昼から隣の島、パンガンに行く」
「あの〜パンガン島では何をするんですか?」
「パーティーだ。海岸で踊る!課題は踊る♪最後の課題だな」
何言ってるんだこのおっさんは。。
隣でプイさんが大笑いしてるし。
「あの。。パーティーって。。踊れないし。。」
「そうだな〜ちょいと長くなるけどいいか?」
ガンジャ先生が話す事はどこか昔話のように始まった。
みんなはフォークとナイフで料理を食べながら。
聞いた事のないフルムーンパーティーの事を聞いた。
満月の夜。海岸で踊る。単純に言えばそれだけだ。
しかし宗教みたいな感じもするし。
弥生時代にタイムスリップした気にもなる。
トイレに行く僕は。
外で少し雲かかった月を見た。
ああ。本当だ。月は何か気持ちを吸い込み盛り上げてくれる。雲から見えた月はもう、まんまるだ。
明日最後の課題が始まる。
どこかワクワクしていた。月のせいか?
※オープン・ウォーターの講習は当時の記憶で記載しました。
現在は内容も予定も変わりがありますので、ご予約にはその場で担当にご連絡してみてください。