タクティカートオーケストラ『第2回定期演奏会』が開催!出演者による対談企画vol.2
いよいよ来週11月20日(水)ミューザ川崎シンフォニーホールにて、タクティカートオーケストラ『第2回定期演奏会』が開催されます!
客演指揮者・坂入健司郎さん・初共演の阪田知樹さんをお迎えし、公演に向けて対談を開催!定期演奏会に向けての意気込みや作品に対する思い、お二人ならではの共通点などたっぷりお話いただいた対談の模様を、全2回でお届けいたします!
メインプログラム、幻想交響曲について
Q.坂入さんにとっては、ご自身が指揮に進まれるきっかけになった曲と伺いました。
坂入さん:この曲を知ったのは小学校1年生の頃で、「何と奇抜な曲なんだ」というのが第一印象でした。「断頭台への行進」なんていう題名の曲があること、曲の中で本当に処刑台に連れていかれ、首が落ちる音まですること、しかもなぜかみんな喜んでいる。色々なところが小学生として非常に疑問だったんです。
その後、中学生のころに、バーンスタインが楽曲分析で「サイケデリックな旅行
(Psychedelic Trip)」と言っているのにも出会い、もうこんなに斬新で面白い曲はないと確信して、いつか僕も指揮したいと思ったんです。それが最初の「幻想」との出会いですね。
Q.そうしてこれまで指揮されてきた中で、曲への思いやこだわりなどありますか?
これまで三回演奏していますが、どれも忘れられない演奏です。オーケストラごとで色が違ってくるので、特別な機会に取り上げようという曲にしてます。
今回は、ミューザ川崎シンフォニーホールということで、360度、色々な所で演奏できるので、フルに活用して色々しようと思っています。例えば5楽章の鐘は、舞台裏ではなくどこかの客席に仕込む予定だったり、3楽章のコール・アングレとオーボエの応答も、単なる舞台袖と舞台ではなくミューザのどこかの席裏、ドアの裏から聴こえてくることになると思います。
ハープも指揮者の前で向かい合わせにする予定で、こうすると途端に華やかな、パリの同時代の雰囲気が反映されたような音楽になりますので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。
Q.阪田さんは作曲もされていますが、作曲の視点からベルリオーズの「幻想交響曲」についてはどのような印象を持たれていますか?
阪田さん:この曲はオーケストラの一つの頂点とも言える曲ですよね。ベートーヴェンの時代、19世紀初頭にこのような曲が生まれていることは、極めて特異で特別なことだと思います。
私も作曲を勉強している時に、ベルリオーズの管弦楽法の本をよく読みましたが、この曲では本の中のアイデアが実際に数多く組み込まれていて、作曲のアイディアの宝庫だと感じましたね。
しかも、言ってみれば、破茶滅茶なストーリーに音楽を付けただけではなくて、そのストーリーと自然な一体感を持っていることも素晴らしくて、音楽として極めて独創的で、立派であるとともに、何度聴いても聴き飽きない、本当に永遠の名曲だと思います。
この曲がフレッシュなタクティカートオーケストラの皆さんの音色でどうなるか、当日とても楽しみです。
プログラム全体を通しての印象・公演への意気込み
Q.公演全体をとおしての印象や聴きどころ、想いなどはありますか?
阪田さん:リストの色彩豊かな管弦楽作品にはじまり、最後がベルリオーズのサイケデリックな音楽で終わるというのは、聴き手にとっては気持ちも頭もいっぱいになる、「1度で2粒おいしい」を超えて何粒も美味しい、という内容だと思いますね。
坂入さん:そうですね。本当に阪田さんのおっしゃる通りだと思いますが、それに加えて、3人の作曲家が交流をしていたのが、同時代の、しかも同じパリということは忘れたくないと思っています。
ショパンのピアノ協奏曲第2番は、ベルリオーズの作品とほぼ同じ、1830年初演というリンク性があって、リストとショパンも、ロマン派のピアニスト兼作曲家達の中の巨人で、リストとベルリオーズも、リストのピアノ協奏曲第1番の初演の指揮がベルリオーズだったりと、その三人の縁・つながりが、プログラムを見ただけで見えてくるようなプログラムですよね。
坂入さん:ベルリオーズが『幻想交響曲』を書いた頃は、フランス市民の日記を見ると、毎日30~50人ぐらいが、本当にギロチンで処刑をされていたようなんです。またアヘンも日常だったんですよね。蔓延っていた日常の中から生まれていた「狂気」という、今では想像できないけれど、当時だからこそ受け入れられる土壌があったというのは、見逃せない事実だと思うんです。
そうした時代に生きた3人の作品を一緒に並んだことで、さらに3倍、4倍と楽しめる、素晴らしい音楽絵巻というような、1つの構築感があるようなプログラムだと思います。
何より大好きなタクティカートオーケストラと、今年唯一の演奏会なので、その分気合を更に入れて臨もうと思っております。
Q.阪田さんからも最後に皆様へのメッセージをお願いします!
阪田さん:今回初共演の坂入さん、オーケストラの素晴らしい皆さんと、ミューザ川崎シンフォニーホールというとても響きがいいホールで、ショパンの音楽という、とても響きが大事な作品を演奏できるのがすごく楽しみです。プログラム全体も、頭から最後まで充実していて、「聴衆として行きたい」と思える内容なので、是非一人でも多くの方に、会場で実際にその空気感を体感していただけると一番うれしいと思っております。
本当に11月を楽しみにしております。
同時代のパリに生きた3名。
若き才能がぶつかり合い、ロマン派が花開いたその瞬間の音楽たち。
タクティカートオーケストラのお届けする、若き才能あふれる情熱的な音楽をどうぞお楽しみに!
みなさまのご来場を、心よりお待ちしております。
チケットはこちらから!
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2450487