第28回:騒がしいオフィスは健康を害し、生産性を下げる
さて、前回の投稿ではパーティションのないオープンオフィス内のBGN(Background Noise)がどのように発生するかお話をしました。
さて、スチールケースとイプソスの調査(注¹)ではオフィスのBGN(Background Noise)が原因で社員は1日あたり86分を無断にしているとのこと。
更に、WHO(世界保健機構)の発表では、職場での騒音、BGNが原因とされるうつ病などの身体不調による休職やそれにともなう医療費・生産性の低下は、イギリスにおいては年間約300億ポンド(約4兆円)の経済損失に相当すると推定されています。さて、日本市場においてはおいくらになるのでしょうか・・。GDPも人口もイギリスより規模の大きい日本ですから、こうした「隠れ負債」はイギリスよりも大きい可能性も否定できませんよね。
さて、お話を「オープンプランのオフィスレイアウト」のお話に戻しましょう。
「会話やノイズ、騒音が反射・反響するオープンプランのオフィスレイアウトが良くない!」
と申し上げているのではありません。オープンなオフィス自体は、社員が協力して仕事をし、ちょっとしたアイディアを共有したり、質問をし、コミュニケーションが活性化しますので、そのこと自体は素晴らしい目的だと思うのです。
一方で、もしせっかく創ったオープン・プランのレイアウトそのものが生産性を下げたり健康をそこねるリスクを持っているとしたらどうでしょうか。
次回、オープンプランのオフィスレイアウトが原因となる生産性の低下や体調不良の具体例についてご紹介します。
(注¹)Steelcase., (2014). The Privacy Crisis. Taking a toll on Employee Engagement.