2歳と40歳父だけでディズニーランドに行ってみた話
2歳半の娘はClubhouseに夢中だ。
と言っても音声SNSの方じゃなくてDisney+の『ミッキーマウス クラブハウス』。ミッキーもミニーもドナルドもデイジーも大好きだ。
くわえて、保育園ではトイ・ストーリーのウッディやバズライトイヤーなんかの名前も覚えてきた。
それならばと、ネットで繰り広げられるディズニーランドのチケット争奪戦に参加。運よく会社の休暇奨励日(平日)のチケットが1枚取れた(3歳までは小児は無料!)。
2歳娘と40歳父の、ふたりだけのディズニーランド。
会社員の妻にはチケット購入前に「有給休暇が取れない?」と確認したが、会議があるとのことでNG。そっか、じゃあふたりで行くね。
・・・これは後になってわかることだけど、この時、もっと話し合っておくべきだった。僕は娘の生まれて初めてとなる夢の国への入場を、妻抜きで決行してしまう。
パークからの帰宅後、妻に
「この子の初体験の場に私もいたい、って思ってたよ。そういうの想像しない?自分ならイヤだなって思わない?」
と聞かれてハッとした。
チケットが予約できて浮かれていた時の僕は、そんなことに気づくはずもなく・・・。
時を戻そう。
事前の計画は入念に詰めた。
「2歳 ディズニーランド」で検索すると、出るわ出るわ、先人たちの貴重な知見が。それをiPadに取り込んだマップに書き込む。
2歳児におすすめのアトラクションは、
などが挙げられていた。
逆に、カリブの海賊や白雪姫と七人のこびとはお化け屋敷に相当するのでオススメしないとのこと。ふむふむ。
ちなみに公式でも丁寧に案内されている。
先人たちのブログ記事では、ベビーカーを持ち込むかパーク内で1,000円でレンタルできるミッキーデザインのベビーカーにするかは意見が割れた。
ただ、どっちの意見も「2歳児にパーク内でベビーカーは必須」というのは共通していた。子どもも歩き疲れるし、昼寝の寝床にもなるし、荷物運搬も楽になるし。・・・だよね。
うちは2歳になってからベビーカーになかなか乗らず、一緒に押したりまわりを走ったりするようになっていたので心配だったが、迷ったあげく、家から持参した。
子どもが乗ろうが乗らまいが、手押しする僕が押し慣れたモノの方がいいと思ったのと、帰りの電車1時間で必要に迫られる予感がしたから(←正解でした)。
あと、記事で見かけた「アトラクションに乗る際にベビーカーを預ける駐車場で見失いがち」という問題も、落とし物トラッカーを結びつけて対策。
実際は、緊急事態宣言で5,000人にまで入場制限しているパーク内で、ベビーカーが見つからないなんてことはなかった。
8時に家を出て、僕らがランドに着いたのは9時20分。
10時開園の正門には、数百人のお客さんが列をなしていた。黄色いテープでラインが引かれており、ディスタンス対策もバッチリ。
7時起きで1時間電車に揺られてたのに、フキゲンになるどころかワクワクが止まらない娘。この笑顔がパパの報酬。
子どもを笑顔にする、これが夢の国の魔法か!と感じ入っていたら泣きそうになった。まだ開園もしていないのに。
事前のシミュレーションは、このYouTube動画が役に立った。緊急事態宣言下でもどのアトラクションが人気か?何に最も並ぶのか?が丁寧に解説されている。YouTubeって何でもあってすごい。
ミニーのスタイルスタジオで最長150分待ちというレポートも読み、到着して真っ先に行くべきはスタイルスタジオじゃ!と心に決めていた。
親一人子一人では30分以上の行列も厳しい。だけど娘にはミニーちゃんに会わせたい。逸る気持ちがベビーカーのコイルを温める。行くぞ、鉄雄!
パーク内は走っちゃダメなので自分を抑えつつ、目指すはミニーさん宅。なんと10分待ちで入れた。
あぁ、念願の生ミニーちゃん!
春デザインの衣装がキュートすぎる(春夏秋冬で変わるらしい)。
「ほら、ミニーちゃんだよ!」
呼びかけると娘はカチコチに固まっていた。緊張?恐怖?マジか。
だがそこはプロフェッショナルチーム。ミニーちゃんとキャストのお姉さんが優しく接してくれ、ものの数分の撮影タイムは和やかに終わった。
「バイバーイ!」
すっかりゴキゲンで手を振ってその場を後にした娘は、
「ミニーちゃんに会えたねえ・・・」
とホクホクしていた。
パパはその言葉に泣きそう。
続いて向かいのミッキーの家に建物探訪し、ミッキーさんとも記念写真。
コロナがなければタッチしたり肩組んで撮ったりできるけど、ロコナ禍だからこそ入場制限され、こんなにもスムーズにミッキーやミニーに会えると思うと、ちょっとフクザツ。
このディスタンスも含めて、パーク内の感染対策は徹底していた。アトラクションには飛沫防止のパーテーションがまるで以前からあったかのように新設され、至るところにアルコール消毒液が置いてある。
マスクは3歳以上からなので2歳の娘は付けていない(外しちゃう)が、年上の子どもたちは皆マスクをつけて楽しんでいた。
落ち着いて周囲を見渡すと、迷子の懸念も平時よりは低かった。
案の定、走る気満々の人。
ここで大事なことにはたと気づいた。
迷子シール貼ってなかった。
迷子シールは名前や親の電話番号を書いて、上からその情報を隠す蓋のシールができるというスグレモノで、万が一パーク内ではぐれてもキャストさんが見つけてくれたら連絡が来る。
夢の国で迷子のアナウンスは存在しないので、シールは必須だ。いずれ数年後にはこのシールにRFIDタグが埋め込まれるんじゃないだろうか。
来た道を引き返し、迷子センターへ。無料でシールをいただくとボールペンもその場で貸してくれた。
僕がフロントで迷子シールに連絡先を書いている間、隣にちょこんと立っている娘にはキャストのお姉さんがずっと話しかけてくれていた。
子どもとコミュニケーションを取りつつ、親が目を離さざるを得ないときでもしっかり見守ってくれる。ホスピタリティや・・・。
お礼を言って、剥がさないように背中にそっと貼った。
この日、娘が体験したイベント&アトラクションは、
初めてにしてはかなりのボリュームになった。
どれも待ち時間はほとんどなし。
でも振り返ってみると、僕に余裕がなかったのか、娘の年齢に沿ってトゥーンタウンをもっと堪能すればよかった。その反省は次に活かそう。
あと、ロジャーラビットのカートゥーンスピンやプーさんのハニーハントなど、暗闇で異世界トリップする系の演出はまだ怖いようだ。
泣きはしなかったけど顔がこわばって
「怖い・・・」
と漏らしていた。申し訳ない。
その反応を見てミッキーのフィルハーマジック(3D映像)は諦めた。
同じく暗闇の演出であるウエスタンリバー鉄道の恐竜は、直前に
「恐竜さん出てくるからあいさつしようね!」
と教えていたで怖がらなかった。先人のブログで仕入れたノウハウが活かされた瞬間だった。先生が言ってたところ、試験に出ました!
というわけで、開園時間の朝10時から夜7時までフルスロットルで遊んだ。
大人も子どもも夢中にさせるパークの力はすごい。
こんなにも無我夢中になれる子どもの力も尊い。
そして、目をキラキラ輝かせる娘の姿を、妻には後から写真でまとめて見せることになってしまい、重ね重ね申し訳ありません(翌週、3人でシーに行きました)。
僕が初めてディズニーランドに来たのは4歳の夏休みだった。
1984年はランドがオープンした翌年で、大変な人混みの中、歩き疲れた父の頭にミッキーの耳が生えていて違和感だらけだったこと、母が閉園間際にウエスタンリバー鉄道に乗りたがったのに行列で諦めて帰ったこと、何だか楽しかったことを覚えている。
そんな記憶の残るであろう4歳以降で行くべきか?とも思ったけど、子どもにとって大事なのはエピソード記憶じゃなく、楽しかった!という感情の針の振れ幅。と、何かの本で読んだ。
夢中で楽しんだ記憶は感覚として刻まれるらしい。内容じゃなく。
だから、行って良かったと思う。
めちゃくちゃ疲れたけど。
体力的にというより、気が張って。
夜のパレードでは、13キロの娘を肩車して片手でベビーカーを押しながらミッキーたちの後を追う。自衛隊かFBIの訓練みたいだ。
煌びやかなライトアップ、夢の国のエンディングを飾る荘厳な音楽、重くのしかかる娘。この日2度目の泣きそうタイムだった。
こうして、2歳と40歳のディズニーランドは無事に幕を閉じた。
昼寝もせず歩き通しだった娘は、夜7時の閉園と同時に眠りについた。
HPも底をつき、港区あたりからタクシーで帰宅した。
翌日、保育園の先生に「どのアトラクションが楽しかった?」と聞かれた娘は
「タクシー」
と答えたそうだ。
今回得た知見をまとめると、
この体験は今後も役に立つだろう。
行ってよかった。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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