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なぜ私たちは燃え尽きてしまうのかを読んで考えたこと
昨年末から非常に調子が悪く、仕事に対して全く意欲的になれなかった。最終日に至っては仕事がほとんどできず、フォルダ整理をしたり、インターネットを眺めて情報を集めたりする程度のことしかできなかった。(これは最終日ということもあるだろうけど、それを差し引いても調子が悪かった。)
現在の仕事は数字を強く求められ、かつそれが会社の経営にかなり響くものなので、成果が芳しくないとかなり精神にくる。そして自分自身の仕事にあまり成果を感じられなくなっていた状況もある。(客観的にどうか、ということではなく、あくまで主観。)
年末年始の休みで多少回復したとしてもベストから程遠い状態であり、年明けからの仕事に支障が出るのは間違いない。そんな中、下記の動画でこの本のことを知り、すぐに本を購入した。
自分の状況に当て嵌めながら読むことで、気持ちが楽になったり、腑に落ちたりする内容が多く、Kindleで読んだがハイライトが非常に多くなってしまった。
非常にざっくりいうと、バーンアウトが起きる原因は、自分の理想と現実が一致していない時だという。著書は大学教授の仕事と、過去に行なっていた駐車場係の仕事を比べている。
大学教授は著書にとって学生時代に憧れた職業であった。最初は精力的に働き、終身在職権を得るまでに至っていた。しかし、徐々に自分の理想とする教師像になれないことに葛藤・消耗していく。長期休暇を取るなどして多少回復したが、結局大学を去ってしまう。
一方、駐車場係として働いていた時は仕事に対して過度に期待することもなく、その分他のことに精を出していた。振り返ると、その時の方がはるかに幸せだったと気づく。
仕事に過度な期待を持ってしまうのは、我々の文化がそうさせているところが大きい。我々は仕事こそが人生であると考え、その仕事がうまくいかないとき、人生そのものがおかしくなっているように感じる。ただし、それは自分自身と仕事を同一視し、24時間仕事のために活動しているような「トータル・ワーク」と呼ばれる状況に陥っているからである。
自分自身も過去には仕事をこなそうと関連する書籍を自費で買い、休日も家で勉強し、日々夜遅く、時には朝方まで働くことがあった。もちろんそれは一定の幸せをもたらしてくれたかもしれないが、仕事の状況が変わるにつれ、そのような情熱を持ち続けることが難しくなってきた。これは自分の気力や体力の低下もそうだが、仕事の内容や目的、質といった現実が変わってきたことに対して、自身が仕事にもつ理想を変化させられておらず、ギャップが生じたからと、この本を読んで感じ取った。
この本の著書はその後どうしたかというと、大学で非常勤講師として働くことを選んだ。非常勤講師としての仕事には過度な期待はなく、自分の人生とうまく切り離して考えることができているようだ。
本書で語られていることで、自分でも実践できることを考えてみる。結局、仕事に過度な期待を持っているならば修正し、あるいは仕事と自分を切り離し、仕事以外に充実した時間を持つこと。場合によっては報酬が下がろうとも現在の仕事を手放し、自分の人生を取り戻すこと。などとなる。
ただ、本書はそのようなよくある言説に落とし込むだけでは勿体無い。重要なのは仕事を中心としたこの世界で、仕事こそが全てを手に入れられるものなのだというまやかしに気づき、考え方を変えることである。
あなたが日々、家で仕事のためにやろうとしていることがありつつ、かつそこから逃げるように別のことをしている場合、すでにバーンアウトになりつつあるのかもしれない。