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「これは、何?」からのチグハグな問答。

藝術の秋。
とか言われますが、

確かに、外に出かけたり、読書したりと
自分の好きなことに時間を使ってみようと思わせる季節になりました。

私といえば、新しいワークショップイベントを
広島現代美術館に併設されている
比治山公園にて行いました。その時の雑感を認めたいと思います。

タイトル
【GATE】:作者はあなた。芸術制作即興アートワークショップ

内容
「全ての人に芸術家になる機会を」
約30cmの木製円盤アートブロックを使って、共にインスタレーションアートを作り上げます。今回のテーマは「ゲート(門)」。

という感じで銘打って、いざトライ!
こういう自由参加のワークショップは
初めての開催だったので、どうなるかはじめドキドキ。

結果から言うと、大盛況!
親子連れの子供たちが熱中して、いろんな作品を作ってくれました。
特に、子供たちの集中力は凄まじく、
1時間くらい没頭して作品作りをしている子もいて
親が置いてけぼりになる光景を何度もみました。

正直、そこにいた人と共同で何かを作ると言うことは叶わず、
家族ごとに作品を作成してくスタイルでした。
「まぁ、そういうふうになるよね。」
と共同制作に仕向けるための仕掛けはまた次への反省。

しかしながら、
大人が作るものと
子供が作るものに明かな差があって大変興味深い。

大人は、
何か明確な創造物のイメージを頭に描いて
それに向かって作っていく。ゴールを定めて向かっていく。
いかにも資本主義的な思考とその制作物ですよね。
PDCA的作成方法。

子供は、
とりあえず思いつくまま組み立ていく。
手が作る、と言う感じ。
今ある作品からインスピレーションを受けて
次にすることが決まっていく、というか何というか
言語化が難しいけど、そんな感じ。

なので、親は子供に作品について訊く。
「これは、何?」と。
子どもは答える。
「何?わからん。」と
親は再び尋ねる
「わからんて、何?」
子どもは、
「えー、特に名前はないけど〜」
みたいなチグハグな会話がよく発生していたな。

「創ること自体が目的である。」
ということを、
大人は忘れてしまいがち。

創り上げたものが、キリンだった。家だった。球体だった。木だった。
という、具体物ができることは大事。
加えて、創り上げたものが
「何にでもなかった。」という答えも大事。

遊び、という人間の営みも
遊ぶこと自体が目的。
他人と仲良くなるコミュニケーション力とか、
ルールを守る力をつけるためにとか、
そんなものは大人が後で加えた意味づけよ。

ワークショップをしてみて
改めて感じた、
そんな11月3日の文化の日でした。

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