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大学生が考える、年金の「学生納付特例制度」とは?追納はすべき?

こんにちは。たちばんなです。

20歳になると、「国民年金のお知らせ」という分厚い封筒が届きます。

「あなた20歳だから、国民年金加入したで」というお知らせです。

複雑な説明がたくさん書かれていて、これ学校で教えてくれよ…と思うのですが…国民年金制度学生納付特例について、とことん調べてわかりやすくまとめました。

正確さには配慮していますが、一部わかりやすさを重視して細かいところは省いています。また、間違いがあった場合の不利益には責任を負いませんのでご了承くださいませ。

というか間違いを見つけたら教えてください!


そもそも、国民年金って何?

20歳から60歳まで毎月16,980円(令和6年度)払ってくれれば、65歳以降、死ぬまで毎年816,000円(月68,000円)国が年金あげるで」という制度です。

これでもらえる年金のことを、老齢基礎年金といいます。

(他に、「障害基礎年金」などがありますが、一旦スキップします。今後の人生で重い障害を負わなければ関係ありません。)


年金(老齢基礎年金)をもらうための条件

しかし、年金をもらうには条件があります。

それが、「保険料を納めていた、もしくは免除されていた期間(受給資格期間)が10年以上ある」こと。

(これを明記してる資料が少ないので混乱するのです…)

ただ、20歳から60歳の40年間のうち10年なので、よほど未納のまま放置しない限り、この条件は達成できるでしょう。

大事なのでもう一度言います。「受給資格期間10年以上あればもらえる」です。このカウントの仕方がややこしいので、あとで述べます。


保険料を納めた期間と、もらえる年金額の関係

さらに、もらえる年金の額も、納めた期間によって変わります。

先ほどの毎年816,000円(月68,000円)もらえるというのは、40年間、すなわち480ヶ月きっちり保険料を納めた場合の金額です。

では、納めなかったり、免除されていた期間があったら?

もちろん、もらえる年金額は減ります

もらえる年金額の計算式はこちら。

日本年金機構パンフレットより(令和6年度)https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/seido-shikumi.files/shitteokitai.pdf

基本的に、もらえる年金額は、満額の月額68,000円(毎年816,000円)に、(納めた月数/480ヶ月(=40年))を掛け算して求められます。

たとえば、40年ほぼきっちり納めてたけど、何らかの理由でどこか60ヶ月(=5年)だけ保険料の納付ができなかった場合。

このとき、もらえる年金は68,000×(420ヶ月/480ヶ月)=59,500円と、毎月8500円少なくなります


これらを踏まえて、学生納付特例制度とは何か?

学生納付特例制度とは、学生の間、国民年金の保険料は猶予してあげるよ、という制度です。

例えば4年制大学に入り、大学2年生の10月の誕生日で20歳になってこの特例を使った場合、大学4年生の3月(卒業)までの2年半の間、保険料を納めるのを猶予してもらえるのです。

制度の適用条件は、年間の所得128万円以下、控除などがあるので年収にすると約194万円以下、です。バイトしかしていない普通の学生なら、大抵この範囲内に収まるでしょう。

学生納付特例制度を使った場合、もらえる年金額はどうなる?

上の例の場合、学生納付特例制度を使ったのは2年半、つまり30ヶ月です。

そしてこの30ヶ月は、「受給資格期間」に含まれます!

思い出してください、20~60歳の間で10年以上この期間がないと、年金は受け取れない、というあの期間です。この10年に2年半を加算できます。

しかしこの30ヶ月は、もらえる年金額の計算に使う「納めた月数」には含まれません!!

特例を使ったまま、学生だった2年半(30ヶ月)分は追納をせず、22歳で就職してから普通に保険料を払い始め、あとはきっちり60歳まで満額納めた場合、もらえる年金額は

68,000×(450ヶ月/480ヶ月)=63,750円と、満額より毎月4250円少なくなります。追納しない限り、ちゃんと減ります。

…え? じゃあ、この制度のメリットって…?

そう思うのは無理もありません。ですがちゃんとメリットはあります。

学生納付特例制度のメリット3つ

学生納付特例制度のメリットを3つ紹介します。

①もらえる年金額は減るけど、納めなくても責められない。

②いま保険料を払わなくても、10年以内なら追納できる。普通は、過去に遡って納められるのは2年前の分まで。つまり、追納して年金額を増やすチャンスを10年残しておける。

障害基礎年金の受給条件を満たせるので、もしもの時に、障害基礎年金がもらえる。

③についてもう少し詳しく述べます。

障害基礎年金とは、病気やケガで障害の程度1級or2級と認定された場合、年間80~100万円くらい年金がもらえる、というもの。もらえるのは20歳~。

参考:https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150514.html

障害基礎年金の受給条件は、「保険料を納めていた、もしくは免除されていた期間(受給資格期間)が、被保険者期間(20歳になってからの期間)の3分の2以上あること」です。

つまり、例えば学生の間保険料を未納のまま放置(2年半、30ヶ月)し、新卒で会社に入ったときから保険料を払い始めた。しかし、入って半年(6ヶ月)で重い病気になり障害を負った。この場合、

「あなた、20歳になってから今までの3年間(36ヶ月)のうち、保険料納めてたの6ヶ月だけでしょ。3分の2以上じゃないから障害基礎年金はあげられないわ

となるわけです。

学生納付特例制度を申請してあれば、30ヶ月を受給資格期間としてカウントできるので、万が一の時のこの悲劇は回避できます。

学生納付特例制度の追納はすべきか?

学生納付特例制度を使って、2年半分猶予してもらった。社会人になったから、追納しようかな!

追納のメリットは明白です。もらえる年金額を増やせることです。

先ほど述べた通り、30ヶ月払っていない分、このままではもらえる額が68,000×(450ヶ月/480ヶ月)=63,750円と、満額より毎月4250円少なくなってしまう

10年以内に30ヶ月分追納し、その後60歳まできっちり納めれば、ちゃんと満額もらえます。

(10年前の分まで納められるとはいえ、厳密には3年前より昔の分はちょっと加算されてしまうのですが、増えるのは月額100~200円くらいですし、そんなに気にしなくて良いかと。まあ、早めに追納しておくに越したことはない)

左:正しい期間に正しく納めた場合 右:追納する場合
参考:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/hensen.html https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150331.html

老後の毎月4250円のために30ヶ月分、すなわち約50万円(!)を払うのは抵抗があるかもしれませんが、年金を10年もらえば元が取れます20年もらえば倍になります。

詳しくはこの記事↓

将来は富豪だから年金なんていらないとか、75歳以上まで生きる保証はないしな〜とか、俺ならその50万円をすぐ3倍にできるぜ!と思う方なら、無理に追納する必要はないと思います。

追納できるというだけで、しろというものではありませんからね。

まとめ

  • 学生納付特例制度は、年収約194万円以下で使える。

  • 学生納付特例制度を2年半使うと、もしもの時の障害基礎年金はもらえるが、もらえる年金は月に4250円減る

  • 追納は10年後まで可能。追納すればもらえるのが満額に近づく。

  • 65歳から年金をもらうと75歳で元が取れる。85まで生きると、払った保険料は倍になって返ってきたことになる。


ここまで読んでくださりありがとうございます。

頑張ったので、スキしてくれるといつも以上にとても喜びます。

参考↓

https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/seido-shikumi.files/shitteokitai.pdf
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/hensen.html






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