ナナゲイ〈フォト短歌エッセイ〉
ひっそりとナナゲイに来て君のこと思って見てる向き合いたくて
ナナゲイの帰路の灯りが消えてゆくラストオーダー知らせるみたいに
少し前になりますが映画を見てきました。
こっそり言いますが、私、高校時代映画研究部に入っていました。特に映画を見るわけでもなく、カメラが趣味でもなく、じゃあ何で入ったんだー!!自分でもわかんな~い笑。
ほんと、すみません…って感じです。ただ、この映研部、先輩や同輩の中にそのまま映画監督やカメラマンになっている人がいて、けっこうすごいんちゃう?って思ってしまう。「この人達って、ほんまにめっちゃ好きなんやなぁ」というのだけは当時からしてわかっていたモゴローです。
映画監督をしている先輩のお友達が制作・監督した映画。バブルちょい前の大阪西成区の中学校が舞台。実在の先生の実話に基づいています。様々な困難を抱える生徒に向き合う先生達のお話でした。
色んな見方ができると思いますが、私がいいなぁと感じたのは、ここに出てくる先生達は、わかったような振りをしていないこと。生徒と対等な存在として向き合っていることでした。自分が悪かったときには謝るし、生徒に教えてもらった時にはお礼を言う。同じ人間として、わからなかったり迷ったりしている自分の姿を取繕うことなく、その姿のままで生徒にぶつかっていくところでした。
対人援助する立場の人にはもちろん冷静さが必要ですが、それには自分の姿を知って、それを隠さないことが必要なのだろうと思いました。そして、仲間です。先生達数人はとても仲が良くて、すごくわかり合えている。日頃よく話しているのです。それぞれの働きを見守りつつ励まし、緊急時には即集まってチームになるのです。
熱い映画でしたが、あらためて思ったのは、人に寄り添ったり、友達になったり、助けたりするのには、基本的には直接会うこと、正面だけでなく後ろ姿を見たり、匂いを嗅いだり、温度を感じたりして、そして、ちょくちょく何度も話すことが大事なんだということでした。色んな事情でそうできないことへの配慮や工夫をすることはとても重要ですが、その基本を諦めないでいたいと思いました。
私は90年代に大阪市大正区の病院で働いていたので、景色が懐かしかったのもうれしかったです。