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キャリアコンサルティング事例「何を売るの?」

彼は、大手紳士服専門店で営業をしていました。
人とのコミュニケーションが上手くないが、自分の興味のある事なら詳しく話せる人でした。
紳士服専門店を退職し、就職活動をしている時にコンサルティングをしました。

悩める彼でした。

・焦ると直ぐに顔が赤くなる
・言葉が上手く出てこなくなる
・小さなミスが多い

聞けば、紳士服の営業時に怒られたり、顧客を横取りされたり、同僚の話の輪に入れなかったりと、随分自信を失くしていました。

仕事に嫌気が差したのではなく、人間関係が退職理由でした。

「人間関係で退職するのは、もったいないね…人間が怖いと思ったら、次の就職がし辛くなるでしょ」

彼は、有料職業紹介所に登録し、担当者からの連絡を待ちます。

有料職業紹介所の利益は、彼が就職することです。
担当者が連絡をくれサポートするのは当たり前。
早く就職を決めたら、手間暇かからず利益を手にできるから。

ここはどうだの、自分から断るだのしている人は面倒で、有料職業紹介所も相手にしたく無くなりますよね。

彼は、有料職業紹介所を使っての転職活動の落とし穴に気付いていませんでした。

ある時、担当者は、企業から断られた理由をズバッと彼に伝えました。
「20代なのにハツラツさが無い!元気が無い」

そこでまた、彼は落ち込みます。
しょんぼりした彼に
「次の面接時は、オロナミンCかリポビタンDを飲んでいけば良いよ!」とアドバイスしました。(笑)

そして、流行りの有料職業紹介所を使わず、自力で就職活動するように伝えました。
わたしのキャリアコンサルティングの仕方は、書類やアピールポイントは勿論、その人とじっくり話し、その人の中に眠る欲望を満たす職業に就けるよう、一緒に考えることです。

そして、彼の自信を見つけていきます。
「あなたは、メガネがとてもよく似合う人だって知ってる?」
そう、彼はメガネがとても似合う人だったのです。

「メガネを売る営業マンは如何?
貴方が、そのお店の一推しのメガネを掛けて営業するの。チラシの、モデルもできるわね。
メガネは毎日使っているし、メガネとの付き合いは長いでしょ?メガネの良さを語れるはず。

もちろん、面接は、そのお店のメガネを購入して掛けていってね♡」

営業のノウハウは紳士服店での経験があるし、営業職が嫌で転職する訳でもないのです。

アピール、あなたの売りは、「メガネのモデルもできる営業マン♡」

その後も手順を踏んで、コンサルティングをします。
本人に迷いがあるなら、転職する時期では無いと判断します。
働きたい!この会社に入りたい!この力が大きいし、自分も相手も動かす原動力になることは、多くのコンサルティングで経験済です。
彼も採用に至りました。
今も頑張って働いています。

そして、彼から連絡があります。
「補聴器の営業の電話です。先生買わなくてもいいので、一度、聴覚検査しに来ませんか?無料で検査しますから〜♪」

「良いですよ、協力しましょう」(笑)

彼の笑顔が戻ってよかったです。

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