映画鑑賞 シビルウォー | 不気味で恐ろしく、そして美しかった
2024-10-12
※拙い感想ですがネタバレも含むかもしれないのでご認識ください。
しかも、観ていないとよくわからないかも。
現在のアメリカの分断が表現された衝撃作!とかそういう観点で紹介されることが多い気がしたけれど、ホラー風味のヒューマンドラマという風に感じた。
戦争が人を狂気にする、という見方もあるが、冒頭から戦時下、しかも末期が描かれているのでちょっと弱い気もする。
作中序盤でキルスティンダンストが演じるリーが「誰もが間違った選択をする」と語った通り、登場人物それぞれの選択によりある者は死に、またその死の直接的な要因となる行動をとった人間はおそらく歴史に名を残す偉業を達成することとなる。
その不条理を感じた。
ところどころ、夜空に降り注ぐ砲弾の光、のどかな風景の中で繰り広げられる銃撃戦、火の粉に包まれる森や、燃え盛る樹木の円柱など、暴力的な行為が生み出した光景は不気味で恐ろしく、そして美しかった。
一方でところどころ残酷な光景にそぐわない形でのせられるポップなBGMは、自分にとっては悪い意味で違和感を残した。
また、メディア、ジャーナリストへの嫌悪感を自分は抱いてしまった。プレスならなんでも許される、という驕りや、もっと具体的には「金になる絵を横取りするなよ」、という描写など。
しかし、リーが自身のふるい同僚-もしかしたら恩師かもしれない-サミーの死に顔の撮影データを消去した、その心情の動きは気になった。
少し視点をずらして日本に置き換えて考えてみる。
そう遠くない昔、日本でも西南戦争があり、これからそんな未来がないとも限らない。
しかし、愛知・岐阜・静岡こそ日本だ〜!という分断が起こるのかというと今のところ想像も追いつかず可笑しく感じてしまうのは平和ボケし過ぎだろうか。
それにしても、ホワイトハウスに入るシーンは面白かった。ある意味。
いくらビーストが出て行ったからって、軍がノーマークで報道だけ向かうとか有り得ないと思った。
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