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元ボンボンの地団駄vol29

東京から戻った次の日、僕はまたまた不思議な人と出会う。もしかしたら、神頼みを聞いてもらったのかもしれないと思うような出会いだ。

僕はその日弟が経営するスポーツショップに行った。特に大した用事があったわけでは無く、近くを寄ったから、、、的な感じである。

お店に入ると、弟がいきなり、

丁度良かった!紹介したい人がいる。と。

事務スペースに入ると、一人の女性が座っていた。会った瞬間、少し不思議な感覚に襲われた。それが何なのかは分からないが、とにかく、不思議な気持ちになった。その女性はパリっとしたスーツは着ているモノの、どこか元ヤンの雰囲気があった(笑)

名刺交換をして、座ると。。。

ずーーーーーーーーっと僕の顔をみて。。。

「しんどかったですね」と

ん????なになになに???

「しんどかったでしょ?でも大丈夫ですよ」

いやいやいやいやいや。何急に???

すると弟が、

「とりあえず、色々と分かる人やから、相談乗ってもらったら?」

なんやねん、色々分かる人って!!!!

するとねーさんはまた僕の顔なのか、顔の少し上あたりを見て。。。

「あのね、あなたは絶対に大丈夫だから。今、大きなお金が必要な問題を抱えてるよね?大丈夫。思ってる以上に簡単に解決するから。お兄さんは今まで気づいていないだけで、今抱えているよりも、もっと大きな問題に直面して解決してきている人だから、今抱えている問題なんて大した事ない。だから大丈夫。後、死のうなんて思っても無理ですよ。あなたには大きな使命がある。あなたはすごく大きなエネルギーを持っている。たとえるなら、弟君と実年齢は4才違いだけど、エネルギー年齢は赤ちゃんと大人ぐらい違う。どの家族よりもレベルが上。レベルが違い過ぎる。だから、今後、この会社を引っ張っていくのは、お兄さんです。」

こんな感じで約1時間。勿論、初対面なので僕の事は全く知らない。でも、なぜか色々と「え?なんで分かるの?」と思う事が多々あった。

しかも、こんな今の最悪な状況の僕に向かって大丈夫ですって。。。

そして、僕は、実際その時会社経営とは別に大きな問題に直面していた。(申し訳ない、この部分は僕だけの話ではないのでここには書きません)そして、実際その問題は思っていた以上に簡単に解決した。

僕はこの不思議なねーさんとこの後も数ヶ月に1回のペースで会う事になる。僕には見えないモノが見えるねーさんは僕が何かに迷った時の相談相手として今も、そしてこれからも関係は続いていく。


東京から戻った数週間後、ギラギラ社長は本当にうちの会社に来た。高そうな高級外車に数人のスタッフを乗せてやってきた。

一通り倉庫内を見せて、社長室でミーティング。

スタッフの方が再度、会社案内とシステムの話をしてくれた。。。

内心、「これ、絶対にシステム導入する方向に持って行ってるやん。。。数で押し切ろうとしてるのか???」そんな事を思いながら聞いていた。そして、早々に見積もりを見せられた。

初期費用十数万円、ランニングコスト出荷件数1件につき20円とシステム管理費1荷主につき数千円。

ん?思ってたのと違う。。。数百万円レベルの話なんじゃないの???

いやいやいや、これは多分この会社の手口で、最初に安い金額提示して後から色々と加算していく手法やな!と。そんな事を思ってしまうぐらい導入費もランニングコストも安く感じた。

そして、ギラギラ社長が、、、

うちは、倉庫側が儲かって、うちの会社が儲かるという仕組みにしている。1件20円だけど、色々なお客さんをうちからもドンドン紹介する。もし1ケ月の出荷件数が1万件を超えればそれだけで20万円になる。だから、うちの売上を上げる為に御社の売上を上げる。そうすれば全員ハッピーになる。今、全国にうちのシステムを導入して頂いてる倉庫が約40社。もし御社が導入するとなれば、奈良では第1号の導入倉庫になる。

ギラギラ社長の話はなぜか引き込まれる。でも、僕はまだそれでも疑っていた。そんなビジネスミーティングもひと段落したとき、ゴルフの話題になった。僕は皆さま御存知のボンボンだったので、高校の時からゴルフをしていた。そして、僕はビジネスの前にこのギラギラ社長とゴルフに行こうと思った。

社長、また今後ゴルフ連れて行ってくださいよ。

そういうと、二つ返事でOK!

そんなこんなで僕はビジネスをスタートさせる前にギラギラ社長と3回ほどゴルフに行った。ゴルフはその人の性格がよくわかるスポーツだと思っている。そして、ギラギラ社長との数回のゴルフである程度どういう人物かも分かり、また僕の事も分かって頂けたようだ。

実は僕はこのシステムにある種の期待を持っていた。もしかししたら変われるかもしれないと思っていた。だから、高いゴルフ代を払ってでもこのギラギラ社長の人となりを見たかった。

そして、3回目のゴルフでギラギラ社長は僕にある提案をした。

もし、今、うちの会社が提案しているシステムが良くないとか、今提示している以上の費用が発生するだとかあれば、すべて返金する。だから、とりあえず半年、導入してみてはどうか?

今思えば、よくまあ、この社長にここまで言わせたもんです。でも、僕はその言葉に乗っかってみた。

そして2016年6月 物流システムを導入する事を決め、それまでの物流加工業からネットショップを運営している会社(EC)向けの物流倉庫に舵を切る事を決断した。

そして有難い事に、このシステム導入の最初のお客様として、このギラギラ社長を紹介してくれた東京の先輩社長の化粧品の物流をさせて頂く事になったのだ。つくづく僕は人に助けられいる。。。

そして、約半年間、スタッフと共に試行錯誤しながらこのシステムを使い、また倉庫内もEC物流に特化した配置に変え、分からないなりに倉庫業に突っ走っていた。

2016年12月28日 僕はギラギラ社長に夕食に誘われた。大阪にあるオシャレな寿司屋。

「導入して半年経ったけど、どう?」

その頃には僕はもうこの物流システムの素晴らしさを実感していたので、導入して頂いた感謝と、おもっきり疑っていたことを謝罪した。

「オッケー、じゃあ、来年からギアを上げるから、よろしく!」

とまあ、ほんとに軽い感じの忘年会。でも僕はこのギラギラ社長の凄さにまだ気付いていなかった。かるーく言われた「ギアを上げる」という言葉。この約一週間後、ギラギラ社長のギアと僕のギアのレベルの違いを見せつけられるのである。。。



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