学びと年齢
今年の春から聴講生という形で大学に通い始めて、3ヶ月が過ぎました。
授業の全日程が終了し、今月末に一教科だけ試験が残っているという状態ですが、聴講体験してみた感想を書きたいと思います。
まず結論から言うと、通ってみてとても良かったと言うのが率直な感想です。これは正直、思いの外・・・でした。
というのは、じつは私はもともと授業そのものにはそれほど期待していなかったからです。ではなぜ聴講してみる気になったか?
というとそれは一度、大学に通ってみたかったから・・・
もちろん、まともな理由は一応あります。たとえば小説を書くにあたって引き出しが多い方がいいから、とか。あと大学生や大学卒を主人公にすることが多いので、キャンパスの雰囲気を知りたかった、というのもあり。
でも、それもやや口実に近くて、本音はやっぱり単なる憧れでした。たとえば映画やドラマなんかを観ていると、よく講義のシーンが出てくるではないですか。それを体験してみたかったのです。だから勉強そのものは二の次でした。
とはいえ、授業は真面目に受けました。ただ、それでも学期がスタートしたときは、期待はずれ感の方が強かった。というのは、学生は誰も発言しないから。ずっと先生が話しているのを聞いているだけなのです。
たまに先生が「何か質問は?」と聞いても、だれも手を挙げようとしません。たまたま私が取った授業がそうだったのか? 学生の皆さんはかなり奥ゆかしく、そこは「映画とは違うんだな・・・」と、がっかりしました。
ただ、それでも私はせっかくお金を払っているのだから元は取らなければと3ヶ月間、先生の話に耳を傾けました。さあて、その結果、私が得られたものは——
ありました! はっきり言って、かなり勉強になったと思います。自分が知らないことがいかに多いかを思い知らされました。
ただ、その一方でこうも思いました。もし私が18のときに正規学生として大学に入学したら、同じような満足感を得られただろうか? と。
当時、私はデザイン系の専門学校に通っていました。が、はっきり言ってやる気のない生徒でした。もしあの若かりし頃の私が大学に入学していたら「単位を取るのってしんどいな」くらいしか思わなかったかもしれません。
——と、ここまで書いて、ひとつ思い出しました。ある有名な小説家が、自身の著書に記していた一文です。
うろ覚えなので、一字一句そのままではありませんが、内容に大差はないと思います。ただこの一文を読んで、私もその通りだと思ったのです。
ひょっとしたら私の場合、50を超えてから大学で学ぶのが、ちょうど良い年齢だったのかもしれません。
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