まともな感覚
送迎バスがデイケア棟に到着後、僕は朝受診の受付へ向かっているとMさんがおはようございますと挨拶してくれた。何ヶ月振りだろうと思った。嫌な感じもなくてMさんも挨拶したかったから挨拶したのだろうと思った。
先週まで火曜日のデイケアに参加していた。僕から心理面接をお願いするときでも嫌な顔ひとつせずに引き受けてくれた。でも、心理面接をした後いつも僕の心には嫌なんだろうなあという想いが存在した。これは自分で感じることだろうから間違っていないと思う。Mさんは本当の所僕の話を聴くのが嫌なんだろうと思う。
今日、数ヶ月振りにMさんの方から話しかけられたけど嫌な感じはなかった。これがまともな感覚だと思った。Mさんに小説を読んでもらったり、映画をとったりしたけどこれは最終的に僕とMさんの関係性を悪化させたと思う。Mさんが嫌だけど嫌と言えなかったことだと思う。僕が火曜日から離れて、映画を撮らなくなるとMさんの頭にかかった霧がはれたようで笑顔になった。僕の中にあった嫌な思いも消えてこのまま進めば関係性も回復すると思う。
僕も苦労して書いた小説をMさんに読んでもらった後に本人が嫌な思いをする。Mさんの頭にも霧がかかる、誰も得をしない。こんな思いをするのはもうたくさんだ。早く気づけてよかった。しばらく離れていた方がMさんとの関係性が作れる様に感じた。
デイケア棟の入り口に七夕飾りが置いてある、僕は短冊に願いごとが書きたいと思ったけどKHさんに言えずにいた。みんなの願い事が読みたかったのだけど気持ちが遠ざかってしまった。飾りが丁寧に作ってあるなと思った。帰りの送迎バスを待っている間KHさんに来週短冊を書いて七夕飾りにつけてもいいか?とたずねるとそうか?きずかなかったなあという感じだった。僕は昨年誰かが詠んだ短歌が素晴らしかったので短歌を詠みたいと話した。KHさんは短歌を詠んだ人はいないのでいいですねと話した。僕に短歌をするんですか?と聴くので答えようとしたら送迎のバスが来て続きは話せなかった。家に帰宅してクーラーをかけて1日を振り返ると短歌の事を思い出したので詠んでみる。
5.7.5.7.7 飾りみて 僕も書きたい 願いごと 映画とりたい Mさん世界 〆
パルムドールという作品をとりたいと思っている。映画をとるにはMさんの力も必要だ。でも最近の僕とMさんの関係性をみると良好ではない、昨年の無理が今かぶさってきていると思うのだ、映画をとりたくても今の嫌な思いのまま進めたくない、このままだったらとらない方が良い、素晴らしい作品にはならないからだ。
来週短冊に願いを込めて短歌を詠みたい。
午後のプログラムはビーチバレーベースボールだった。最初コート作りに精が出せなかった。ぼーっと椅子に座っていた。試合がはじまると次第にやる気が出て大きな声をかけれるようになった。試合は接戦だったけど負けてしまった。でも楽しかった。
ゲームが終わってコートを元に戻すとき僕も最初より身体が動いた。ゲーム中、審判が微妙で難しいと感じた。1人で見るのには限界があるなと思った。
大きなビーチボールでする時は男性の力の強さを感じなかったけど中のビーチボールになると相手チームのピッチャー返しが強くなった。それで3点取られて負けた。ピッチャーで女性のKDさんも投げるのを恐れた。
今日の掃除の時間玄関をOKさんとした。僕はOKさんとは息が合いそうな気がしていた。思った通り順調で違和感もなかった。掃除も終わり帰ろうとするとOKさんとワークハウスに初めて行った時の頃を懐かしんだ、仲間の名前も出た。あの頃まだ若くて何にでもなれる気がした。今の自分からは想像できない。今はワークハウスに行く事でさえ違和感がある。