見出し画像

『154の認知バイアス×暗記シート』−正しくビジネス判断するために、思考の罠を35分類で覚えよう

どーも、SHUNです。

認知バイアスって一体どれだけあるんだろう?

この記事にたどり着いたあなたは、認知バイアス関連の記事を様々見てきたことでしょう。ただ、どの記事も数十個程度の認知バイアスが著者の主観的な選択で掲載されているため、次から次に新しい認知バイアスが出てきたかと思います。そして、結局どれだけ認知バイアスがあるのか、どれだけ覚えればよいのかがよくわからない状態になっているのではないでしょうか?

私も同じプロセスをたどりました。インターネットで認知バイアスを調べると、様々なものが出てきます。論文や英文のサイトから、「○○バイアス」などの一意の英語名をざっと調べてみましたが、研究者による名称違い含め600個近くが見つかりました。

全部覚えたいところですが、名称が異なるだけの認知バイアスは1つに纏めた方が実用的だし、ある程度の分類が合ったほうが覚えやすいです。そこで、英語圏の認知バイアスの分類研究を調査して、重複除外した154個の認知バイアスを抽出し1枚のシートに名称と定義を整理しました。おそらく、日本語で体系的に細かく分類して、可視化までしているのはこの記事だけだと思います。

(ダウンロードは記事の一番下から可能です)

画像12

なお、認知バイアスは、原始時代には合理的だった脳の仕組みが、現代においては非合理的な行動や思考を生み出してしまうため、脳のバグとも言われます

人間がいつの時代も、同じ過ちを起こしてしまうのもこういったバグが関係しているのでしょう。そのため、個人的には、私含め世の中の人が認知バイアスの罠から逃れて、思い込みや先入観をできるだけ減らし、良い判断が少しでもできるようになればいいなと思っています。

特に、ビジネスにおいては、物事を実際よりも過大・過小に評価して意思決定してしまうと、後々大きな損失に繋がる可能性があります。本能的な思考に入り込むため、可能な限り覚えて、都度気づくことが大切です。ぜひ、本記事で紹介する暗記シートを活用して、人間として誤りやすい認知、そして自分の思考の癖を把握して良い判断ができるようご活用いただければと思います。

タスクベースによる分類

認知バイアスの分類方法には、下記論文を利用しました。
https://www.researchgate.net/publication/327907209_A_Task-Based_Taxonomy_of_Cognitive_Biases_for_Information_Visualization

バイアス分類

この論文は、2018年に発表されたもので、デザインやプレゼンテーションなどでデータを可視化すること自体は、効率的な分析やコミュニケーションに繋がるため非常に有益ですが、そもそも人間の認知バイアスによる判断や解釈の制限を理解していないと可視化しても正しく伝わらない可能性があることを問題視しています。データの可視化と認知バイアスの関係性を研究した論文は少ないため、今後の研究者たちのために分類をしっかりとしてあげようという趣旨になります。

ただ、データの可視化についての情報をまとめるだけでなく、利用状況が制限されないように一般的な分類基準を構築しています。そのため、評価や決定といった基本的なタスクを軸として、そのままビジネスにも役立てることができます。

分類法として認知バイアスの発生原因に焦点を当てた論文はありますが、特定の認知バイアスのみしか説明できていなかったり、そもそも原因が依然議論されているものも多く、すべての認知バイアスを網羅的に分類するのは現状困難なようです。

そこで、この論文では、代表的な認知バイアスの論文に記載されている実験に立ち戻り、実験参加者に与えられたタスクを基準として7個のカテゴリに分類する方法が生み出されていますどういう時に、どういう認知バイアスに気をつければよいかが分かるということです。これは有難いですね。ということで、7個のカテゴリは下記の通りです。

【実験のタスクに基づく7個のカテゴリ】

1. 想起(RECALL)
記憶を思い出したり、認識するタスク
 
2. 推定(ESTIMATION)
確率、頻度、時間、量、パフォーマンスなどを推定するタスク

3. 意思決定(DECISION)
複数の選択肢から意思決定するタスク

4. 意見報告(OPINION REPORTING)
政治的、道徳的または社会的問題に関する質問に回答するタスク

5. 因果関係(CAUSAL ATTRIBUTION)
出来事または行動の原因を説明するタスク

6. 仮説検証(HYPOTHESIS ASSESSMENT)
仮説の真偽を評価するタスク

7. その他(OTHER)
タスクに関係なく実験的に観測されたその他バイアス

データは認知バイアスの最長リストとして、米ウィキペディアに存在する176個が元になっています(日本とは比較にならないほど纏まっています)。ここから、査読済みでアクセス可能であるかなどの文献レビューを行い、重複した認知バイアスは除外されています。同じような認知バイアスについては、研究者が異なるとみなしているものは残されています。そして、別途視覚化に関する認知バイアスとして、投票名バイアス、幻効果、妥協効果の3個が追加され、全部で154個が分類対象となっています。

スクリーンショット 2020-02-19 21.05.44

各カテゴリには、多数のバイアスが含まれているため、サブカテゴリとしてさらに5分類されています。これは、厳密なサブタスクとしての分類ではなく、バイアス間にある類似性を反映できるように直感的に整理されています。5分類(論文ではフレーバーと呼ばれる)は下記の通りです。

【バイアスを直感的に理解するための5個のフレーバー】

1. 関連(Association)
  情報項目間の連想的な繋がりよって認知する

2. 基準(Baseline)
  判断基準との比較によって認知する

3. 慣性(Inertia)
  現在の状態の継続性によって認知する

4. 結果(Outcome)
  期待または望ましい結果にどれだけ適合するかによって認知する

5. 自己(Self perspective)
  自分の視点によって認知する

認知バイアスの可視化(暗記シート)

そして、この7カテゴリー5フレーバーをインフォグラフィックス化してみたのが下記です。

認知バイアス-例-種類-一覧-インフォグラフィックス

A3サイズの高画質版の画像データと、さらにカテゴリ別に154個の認知バイアスの名称(日本語&英語)と定義を追加したデータは記事の一番下に置いているので、良かったらダウロードしてみてください。
(スマホでの勉強や、印刷用に利用できます。

認知バイアスとは-例-種類-一覧-分類

それでは、154個の認知バイアスについて、カテゴリ別に日本語訳と定義をまとめたので見ていきましょう。日本語&英語サイト、論文や書籍をなるべく網羅し、一般的な名称と定義にしています。この辺はプログラムで処理したので精度を上げつつも労力は削減できたので助かりました。

1. 想起(RECALL)-39のバイアス-

画像9

想起カテゴリには、実験参加者が記憶を思い出したり、認識するように求められたときに観察された39個のバイアスが含まれます。

001 画像優越性効果(picture superiority effect)|関連|
言葉や文字列よりも画像の方が記憶しやすい傾向
002 間隔効果(spacing effect)|関連|
繰り返し学習する場合、短期よりも長期的に間隔を空けた方が記憶に残りやすい傾向
003 気分一致記憶バイアス(mood-congruent memory bias)|関連|
現在の気分に一致した情報は想起しやすい傾向
004 虚偽記憶(false memory)|関連|
実際に起きていない経験を経験したかのように思い出す現象
005 クリプトムネシア(cryptomnesia)|関連|
見聞きした経験を忘れ、自分で思いついたと誤認する現象
006 誤情報効果(misinformation effect)|関連|
目撃情報など事後情報が捏造であったとしても干渉を受けて記憶が不正確になる現象
007 サフィックス効果(suffix effect)|関連|
単語などのリストの最後に無関係な音や文字列が付くと、最後の要素が記憶しづらくなる傾向
008 持続時間の無視(duration neglect)|関連|
期間を無視して、経験の不快感を評価する傾向
009 舌先現象(tip of the tongue phenomenon)|関連|
思い出せそうで思い出せない現象
010 情動減衰バイアス(fading affect bias)|関連|
嫌な記憶は良い記憶よりも早く忘れる傾向
011 情報源の混乱(source confusion)|関連|
情報源の記憶を誤って想起しやすい傾向
012 処理困難効果(processing difficulty effect)|関連|
学習に困難を伴った情報ほど記憶に残りやすい傾向
013 処理水準効果(levels-of-processing effect)|関連|
丸暗記よりも意味の理解や感情との紐付けなど深い処理をした方が記憶に残りやすい傾向
014 逐語効果(verbatim effect)|関連|
話の語句や表現よりも話の要旨が記憶に残りやすい傾向
015 ツァイガルニク効果(zeigarnik effect)|関連|
完了したタスクよりも未完了または中断されたタスクの方が想起しやすい傾向
016 次の番効果(next-in-line effect)|関連|
自分が話す順番が次のとき、前の人の話の内容を記憶しにくい傾向
017 手掛かりの忘却(cue-dependent forgetting)|関連|
記憶の手掛かりなしには想起が難しい傾向
018 デジタル健忘症(digital amnesia)|関連|
ネットやデジタルデバイスに保存された情報は忘れやすい傾向
019 テスト効果(testing effect)|関連|
単に聞いたり書いたりするよりもテストを行う方が記憶に残りやすい傾向
020 テレスコーピング効果(telescoping effect)|関連|
最近の出来事は実際より昔に、昔の出来事は実際より最近に起きたと錯覚する傾向
021 被暗示性(suggestibility)|関連|
第三者の提示した情報によって誤った記憶が生成される現象
022 部分手がかり効果(part-list cueing effect)|関連|
特定の項目を思い出すために手掛かりが与えられると、他の項目を想起しづらくなる傾向
023 平準化と先鋭化(leveling and sharpening)|関連|
時間が立つと記憶の細部が曖昧になり、逆に一部分が先鋭になる傾向
024 ポジティブ優位性効果(positivity effect)|関連|
否定的な記憶よりも肯定的な記憶を想起しやすい傾向
025 モダリティ効果(modality effect)|関連|
視覚よりも聴覚から受け取った情報の方が記憶に残りやすい傾向
026 ユーモア効果(humor effect)|関連|
ユーモアのある情報は記憶に残りやすい傾向
027 幼児健忘症(childhood amnesia)|関連|
2-4歳以前の記憶を想起できない傾向
028 レミニセンスバンプ(reminiscence bump)|関連|
10-30代までの記憶を想起しやすい傾向
029 奇異性効果(bizarreness effect)基準
奇妙で異様な物事は記憶に残りやすい傾向
030 系列位置効果(serial position effect)基準
リストの最初と最後の項目を中央の項目よりも想起しやすい傾向
031 項目数効果(list-length effect)基準
記憶する情報量が多いほど記憶可能な割合が減る傾向
032 フォン・レストルフ効果(von restorff effect)基準
孤立して目立つものは記憶に残りやすい傾向
033 継続的影響効果(continued influence effect)|慣性|
間違いだと知った後でも信念は完全に修正されずに影響を受ける傾向
034 後知恵バイアス(hindsight bias)|結果|
出来事が起きた後に、予測可能だったと考える傾向
035 選択支持バイアス(choice-supportive bias)|結果|
過去の自分の選択は正しかったと高く評価する傾向
036 バラ色の回顧(rosy retrospection)|結果|
過去の経験を実際よりも美化する傾向
037 自己関連付け効果(self-reference effect)|自己|
自分に関係する情報は記憶に残りやすい傾向
038 自己生成効果(self-generation effect)|自己|
単に読むよりも自分が生成した情報の方が記憶に残りやすい傾向
039 人種交差効果(cross-race)|自己|
自分と同じ人種よりも異なる人種の顔を識別しにくい傾向

2. 推定(ESTIMATION)-33のバイアス-

画像9

推定カテゴリには、実験参加者が確率、頻度、時間、量、パフォーマンスなどについて推定するように求められたときに観察された33個のバイアスが含まれます。

040 感情移入ギャップ(empathy gap)|関連|
怒ったり恋愛しているときに、その感情を持たない視点からの考えを推測すること難しい傾向
041 時間節約バイアス(time-saving bias)|関連|
低速度から加速したときに節約できる時間を過小評価し、高速度から加速したときに節約できる時間を過大評価する傾向
042 利用可能性バイアス(availability bias)|関連|
思い出しやすいというだけで可能性と頻度を高く見積もる傾向
043 連言錯誤(conjunction fallacy)|関連|
特殊な条件の方が、それを含む一般的な条件よりも発生確率が高いと誤認する傾向
044 アンカリング効果(anchoring effect)|基準|
数値などの与えられた先行情報(アンカー)に最終的な推定判断が近づく傾向
045 ウェーバー・フェヒナーの法則(weber-fechner law)|基準|
量が多くなると変化を認識するのが難しくなる傾向
046 回帰バイアス(regressive bias)|基準|
高い確率を過大評価し、低い確率を過小評価する傾向
047 基準率錯誤(base rate fallacy)|基準|
統計的な確率を無視し、無関係や不十分な特定情報のみから確率を判断する傾向
048 ギャンブラーの誤謬(gambler's fallacy)|基準|
偶然により頻繁に何かが発生すると、実際の確率を無視して発生頻度が下がると錯覚する傾向
049 サンプルサイズに対する鈍感さ(insensitivity to sample size)|基準|
少数のサンプルを調べただけ十分で正しいデータが得られたと錯覚する傾向
050 ダニング=クルーガー効果(dunning-kruger effect)|基準|
無能な人ほど、自分の無能さずに気づかず自分を過大評価する傾向
051 難易度効果(hard-easy effect)|基準|
難しい課題の難易度を低く、簡単な課題の難易度を高く見積もる傾向
052 ホットハンドの誤謬(hot-hand fallacy)|基準|
賭博など偶然良い結果が続くと、次も良い結果が出ると錯覚する傾向
053 劣加法性効果(subadditivity effect)|基準|
全体の確率が部分の確率よりも低いと判断する傾向
054 保守主義(conservatism)|慣性|
新しい証拠が提示されても自分の信念を十分に修正できない傾向
055 インパクトバイアス(impact bias)|結果|
将来の出来事に反応する感情の大きさを高く見積もる傾向
056 過剰推測(exaggerated expectation)|結果|
起こり得ない極端な結果を想定する傾向
057 計画錯誤(planning fallacy)|結果|
タスク完了時間を実際よりも少なく見積もる傾向
058 結果バイアス(outcome bias)|結果|
プロセスの質は無視して最終的な結果のみを評価する傾向
059 自制バイアス(restraint bias)|結果|
自分は自制心が強く、誘惑に負けないと思い込む傾向
060 性的過大知覚バイアス(sexual overperception bias)|結果|
他人からの性的興味を過大評価または過小評価する傾向
061 妥当性の錯覚(illusion of validity)|結果|
分析したデータが一貫しているように見えるとき、正確な解釈と予測を行う能力を過大評価する傾向
062 外集団同質性バイアス(out-group homogeneity bias)|自己|
自分が所属していない集団は多様性がないと見なす傾向
063 外発的動機づけバイアス(extrinsic incentives bias)|自己|
他人の行動の動機を内発的(学習など)ではなく外発的(お金など)だと見なす傾向
064 偽の合意効果(false consensus effect)|自己|
自分の意見、信念、好みが実際よりも一般的だと思い込む傾向
065 コントロールの錯覚(illusion of control)|自己|
自分でコントロールできないものをコントロールできると錯覚する傾向
066 スポットライト効果(spotlight effect)|自己|
他人が自分の外見や行動に気づく可能性を過大評価する傾向
067 知識の呪い(curse of knowledge)|自己|
知識のある人は、その知識のない人の考えを想像できない傾向
068 透明性の錯覚(illusion of transparency)|自己|
他人が自分を把握する能力と、自分が他人を把握する能力を高く見積もる傾向
069 ナイーブ・シニシズム(naive cynicism)|自己|
他人は自分よりも自己中心的だと錯覚する傾向
070 悲観主義バイアス(pessimism bias)|自己|
将来起こる否定的な結果の可能性を高く見積もる傾向
071 平均以下効果(worse-than-average effect)|自己|
困難なタスクに直面したとき自分の実行能力を過小評価する傾向
072 楽観主義バイアス(optimism bias)|自己|
望ましくない結果が起こる確率を実際より低く見積もる傾向

3. 意思決定(DECISION)-33のバイアス-

画像9

意思決定カテゴリには、実験参加者が複数の選択肢から意思決定するように求められたときに観察された33個のバイアスが含まれます。

073 曖昧性効果(ambiguity effect)|関連|
成功確率が未知の選択肢を避ける傾向
074 確率の無視(neglect of probability)|関連|
不確定な状況下では、確率を完全に無視する傾向
075 擬似確実性効果(pseudocertainty effect)|関連|
多段階の意思決定において、先行した選択肢の不確実性を無視し、後続の段階でのみ確実性の高い選択肢を選ぶ傾向
076 権威バイアス(authority bias)|関連|
権威のある人の意見はより正しい選択肢と考える傾向
077 自動化バイアス(automation bias)|関連|
自動化されたシステムが生み出す提案を過度に支持する傾向
078 ゼロリスクバイアス(zero-risk bias)|関連|
大きなリスクから多くのリスクを削減するよりも小さなリスクをゼロにする選択肢を好む傾向
079 双曲割引(hyperbolic discounting)|関連|
我慢すれば将来もっと得をすると分かっていても、今の利益を優先する傾向
080 損失回避(loss aversion)|関連|
利益を獲得するよりも損失を回避する選択選を選ぶ傾向
081 フレーミング効果(framing effect)|関連|
同じ情報を利益または損失として異なる表現で伝達されると異なる意思決定をする傾向(良い結果が期待できそうときはリスクを回避する選択肢を選ぶが、悪い結果になりそうなときはイチかバチかの選択肢を選ぶ)
082 身元の分かる被害者効果(identifiable victim effect)|関連|
特定の個人が危機に面しているとき、不特定の個人や集団よりも手厚く援助する傾向
083 額面効果(denomination effect)|基準|
紙幣よりも同額の複数枚の硬貨を多く消費する傾向
084 貨幣錯覚(money illusion)|基準|
実際のお金の価値(実質値)でなく額面(名目値)を重視する傾向
085 気質効果(disposition effect)|基準|
好調な投資は売却するのに不調な投資は保持し続ける傾向
086 区別バイアス(distinction bias)|基準|
2つのものを同時に比較すると差異による価値を過大評価する傾向
087 少量優位効果(less-is-better effect)|基準|
同時に評価する場合は多い方を選ぶが、個別に評価する場合は小さい方を選ぶ傾向
088 妥協効果(compromise effect)|基準|
極端な選択肢を避けて、中央の選択肢を選ぶ傾向
089 チアリーダー効果(cheerleader effect)|基準|
集団でいるときの方が外見が魅力的に見える傾向
090 投票名バイアス(ballot names bias)|基準|
候補者名の順序に投票の判断が影響される傾向
091 幻効果(phantom effect)|基準|
選択不可能な幻の選択肢に影響され他の選択肢の価値を高く評価する傾向
092 誘引効果(attraction effect)|基準|
実際に選ばれない選択肢が混入していると他の選択肢の価値を高く評価する傾向
093 機能的固着(functional fixedness)|慣性|
あるものの使い方が身につくと、それ以外の使い方を想像できない傾向
094 共有情報バイアス(shared information bias)|慣性|
集団全体に共有されている情報に関する議論に多くの時間とエネルギーを費やす傾向
095 現状維持バイアス(status quo bias)|慣性|
より良い選択肢があっても変化を避けて現状を維持する傾向
096 センメルヴェイス反射(semmelweis reflex)|慣性|
通説と異なる新事実を拒絶する傾向
097 立場固定(escalation of commitment)|慣性|
状況が変わり合理性を失ってもこれまでの立場や決断を堅持する傾向
098 単純接触効果(mere-exposure effect)|慣性|
繰り返し接したものに好感を持つ傾向
099 慣れた道効果(well travelled road effect)|慣性|
慣れた道は移動時間を小さく不慣れな道は大きく見積もる傾向
100 保有効果(endowment effect)|慣性|
自分の所有物の価値を高く評価し手放すことに抵抗する傾向
101 リアクタンス(reactance)|結果|
強制など選択の自由を制限されると良い提案であっても反発したくなる傾向
102 NIH症候群(not invented here)|自己|
外部のアイデアや製品という理由から採用を抵抗する傾向
103 イケア効果(ikea effect)|自己|
自分で作ったものに高い価値を置く傾向
104 社会的比較バイアス(social comparison bias)|自己|
自分よりも精神的・肉体的に優れていると感じる人に対して敵意をもつ傾向
105 反射的逆評価(reactive devaluation)|自己|
敵対する相手の意見を内容に関わらず低く評価する傾向

4. 意見報告(OPINION REPORTING)-20のバイアス-

画像9

意見報告カテゴリには、実験参加者が政治的、道徳的または社会的問題に関する質問に回答するように求められたときに観察された20個のバイアスが含まれます。

106 ネガティビティバイアス(negativity bias)|関連|
ポジティブよりもネガティブな情報の方を重視する傾向
107 ハロー効果(halo effect)|関連|
特定の利点や欠点に引きずられて、全体の評価を誤る傾向
108 モラル正当化効果(moral credential effect)|関連|
良い行動をした後は、悪い行動をしても許容されると考える傾向

ここから先は

3,808字 / 3画像 / 2ファイル

¥ 500

最後まで読んでいただきありがとうございます。 コメントいただけると大変うれしいです゚+.(o´∪`o)゚+.゚ サポートしていただいたお金は、他のnoteクリエイターの応援や書籍&論文の調査費に使わせていただきます。あとモチベーションがすごくあがります。